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2020 年度 実施状況報告書

保育のグローバル化時代における北欧の専門職教育の改革

研究課題

研究課題/領域番号 20K02699
研究機関東京大学

研究代表者

中田 麗子  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任研究員 (40532073)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード保育・幼児教育(ECEC) / 専門職養成 / 北欧 / ノルウェー / スウェーデン
研究実績の概要

本研究の目的は、保育・幼児教育(ECEC)政策におけるグローバルな影響関係が深まる中で、北欧諸国がECECに従事する専門職(保育士や教員)の養成・研修をどのように改革してきたかを明らかにすることである。ノルウェーとスウェーデンを取り上げ、政策文書の分析と、政策関係者・教員養成大学・ECEC専門職へのインタビューを実施・分析し、90年代以降の改革と、その過程における論点を明らかにする。その際、「就学準備型」に対して「ホリスティック型」といわれてきた北欧諸国のECECが、学校的アプローチを導入する「学校化」の流れや、新自由主義的な政策に対してどのように対峙し、専門職教育に反映させてきたかという点に注目する。
3年計画の1年目にあたる本年度は、研究計画にもとづき、文献収集・整理とノルウェーの改革についての調査を進めた。ノルウェーのECECおよび専門職の養成・研修の改革についての年表を作成し、改革動向を整理するとともに、論点を洗い出した。また、現地に渡航できなかったものの、オンラインでノルウェーの研究者と議論を行った。その結果、待機児童問題の解消後は、「質向上」が主要な論点になっており、その中で教職員の配置の問題や、養成・研修が議論されていることが明らかになった。また、近年、私立の中でも営利企業立のECEC施設の存在感が大きくなっており、こうした施設における実践や教職員研修も論争点になっていることが分かった。これらの成果の一部は、来年度、日本比較教育学会の学会誌に論文を掲載予定である。また、日本比較教育学会およびEECERA(欧州乳幼児教育学会)での口頭発表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、ノルウェーに渡航し、国および地方レベルの政策関係者、ECEC専門職の養成・研修に関わる大学教員、ECEC専門職の当事者にインタビューを行い、ECECおよび専門職の改革における論点や課題を聞き取る予定だったが、新型コロナウィルス感染拡大により渡航ができなかったことで遅れが生じている。一方、現地の研究者とはオンラインで議論をすることができたため、この点はある程度予定通り進めることができた。
研究成果の公表についても、発表予定だったEECERA(欧州乳幼児教育学会)が来年度に延期になるなど、やや遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

2年目にあたる来年度は、ノルウェー調査の遅れを可能な限り取り戻すとともに、スウェーデン調査を可能な限り進め、研究成果の公表も確実に進める。
ノルウェーの調査については、現地への渡航を計画するが、新型コロナウィルス感染拡大の状況により渡航が不可能な場合は、すでにオンラインで議論している研究者とは引き続き議論を進めるとともに、政策関係者、ECEC専門職の養成・研修担当者、ECEC専門職当事者へのオンライン・インタビューの実施を検討する。
スウェーデンの調査については、文献調査を進め、現地への渡航を計画するが、同じく代替措置としてオンラインでの議論やインタビューが可能であるか、現地の研究者に協力を得て検討する。
研究成果の公表については、日本比較教育学会の学会誌に論文を掲載予定である。また、日本比較教育学会およびEECERA(欧州乳幼児教育学会)での口頭発表を予定している。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、予定していた国内外の学会参加、および北欧への渡航調査ができなかったため、次年度使用額が発生している。次年度は、渡航を計画するとともに、渡航が実施できなかった場合の調査の代替措置を検討し、研究を可能な限り進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 北欧の教育最前線―市民社会をつくる子育てと学び2021

    • 著者名/発表者名
      北欧教育研究会, 林寛平, 本所恵, 中田麗子, 佐藤裕紀
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750351483

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公開日: 2021-12-27  

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