マルトリートメント児、及び同年代の定型発達児の脳MRI、唾液メチル化アレイデータの両者が揃った、世界有数かつ本邦一の規模となるデータセットが構築された。これは今後、多くの研究者らに活用される二次データとしての学術的な利用価値も高い。代表者の一次解析の結果では、マルトリートメントに関連した複数のメチル化部位が明らかにされた。それらメチル化部位や遺伝子と、幼少期のマルトリートメントとを、データ駆動型解析から結びつけた功績は、学術的に貢献度が高い。今後、マルトリートメントに曝された子どもの早期発見に資するバイオマーカーとなる視点についての検討も行うことで、社会的意義にも多大な貢献をする可能性が高い。
|