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2022 年度 実施状況報告書

オンライン教材を用いた保護者トレーニングの開発と評価:地域で行う早期発達支援

研究課題

研究課題/領域番号 20K02705
研究機関三育学院大学

研究代表者

松崎 敦子  三育学院大学, 看護学部, 准教授 (40792297)

研究分担者 出口 貴美子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (50227542)
西田 佳史  東京工業大学, 工学院, 教授 (60357712)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード自閉スペクトラム症 / 早期発達支援 / 保護者トレーニング / オンライン教材 / 看護師
研究実績の概要

本研究では、自閉スペクトラム症(ASD)が疑われる子どもの保護者に生後10ヶ月から始められる保護者トレーニングプログラムを適用し、その効果を客観的に検証する。
プログラムは応用行動分析学を基盤に作成したもので、10ヶ月健診の際に全参加者にオンライン教材を配布した上で、1歳6ヶ月健診の際、ASD疑い群の半数に対し研修を受けた看護師がコンサルテーションを実施する。研究参加者数は統制(TD)群を含めて60名を予定しており、これまでに56名(ASD疑い群34名、TD群22名)が参加している。
評価は視線追跡検査、KIDS乳幼児発達スケール(三宅ら, 1990)、PSI-SF育児ストレスインデックスショートフォーム(浅野ら)、およびVineland-II(黒田ら,2014)を中心に実施している。
10ヶ月時の評価において、Vineland-IIの標準得点平均値は、全ての項目でASD疑い群がTD群より低く、コミュニケーションと社会性で有意な差が示された。その一方、母親の育児ストレスにはほとんど差がみられなかった。
1歳6ヶ月時の評価において、Vineland-IIの標準得点平均値は、全ての項目でASD疑い群がTD群より低く、日常生活スキルで有意な差が示された。また有意差はないものの、ASD疑い群の母親の育児ストレスパーセンタイル値が顕著に高かった。
これらの結果から、生後10ヶ月時点でASD疑い群はTD群と比べて発達の遅れがあり、それは1歳6ヶ月時においても継続することが示された。このことからASD児の発達の遅れは生後10ヶ月から示されており、通常、発達の遅れが顕著となる生後1年を待たずに支援を開始できる可能性が示唆された。その一方で、母親が育児に対するストレスを感じるのは、子どもの発達の遅れがより顕著になる1歳6ヶ月以降に強くなる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の影響により、研究1年目(2020年度)に、実施場所の物理的・人的準備、及び介入・評価が行えなかったため。

今後の研究の推進方策

10ヶ月時より参加している子どもおよび保護者を1歳6ヶ月時、2歳時に縦断的に評価する。1歳6ヶ月健診の際、自閉症疑い群の半数に対し研修を受けた看護師がコンサルテーションを実施することで、コンサルテーションを含めた介入プログラムの効果を客観的に評価する。また統制群とも比較することで自閉症の特徴や自閉症児をもつ保護者への支援のあり方についても検討する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により、研究1年目に研究実施が行えず1年延長するため。主に、Dropbox、評価者への謝金、質問紙、学会参加費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 10ヶ月児健診における発達評価:自閉スペクトラム症疑い群と定型発達群2022

    • 著者名/発表者名
      松﨑敦子・出口貴美子・西田佳史
    • 学会等名
      第69回日本小児保健協会学術集会
  • [学会発表] 生後4ヶ月健診で見られる筋緊張亢進と自閉スペクトラム症の関連についての前向き研究―第1報2022

    • 著者名/発表者名
      出口貴美子・井上健・中村晃子・松﨑敦子
    • 学会等名
      第40回日本小児心身医学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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