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2024 年度 実績報告書

発達支援プログラムとしての美術表現活動の確立へ向けた脳内ネットワークの解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K02706
研究機関東京家政大学

研究代表者

保坂 遊  東京家政大学, 子ども支援学部, 教授 (90423996)

研究分担者 宮島 祐  東京家政大学, 子ども支援学部, 教授 (10246308)
杉本 英晴  駿河台大学, 心理学部, 准教授 (20548242)
澤田 めぐみ  東京家政大学, 家政学部, 教授 (30291339)
音山 若穂  群馬大学, 大学院教育学研究科, 教授 (40331300)
冨田 知里  東京家政大学, 家政学部, 期限付助教 (60827385)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードNIRS / 美術表現 / 発達支援 / 前頭前野
研究実績の概要

本研究では,多彩な美術表現を課題とし,制作中の脳活動をfNIRSにより計測し,前頭前野の賦活領域について検討した。対象は,①一般成人(ST群)7名,②美術経験者(CA群)16名,③健常小学生(TD群)10名,④発達支援が必要な小学生(SN群)8名として,ST群:CA群,TD群:SN群を比較対象とした。課題は[A]シンボル画,[B]模写,[C]抽象表現の3種とし,各90秒×2回のブロックデザインで計測を行い,安静時と課題制作時のOxy-Hb濃度の変化をZスコア化し,これらの平均値より分析した。
ST群では全ての課題において制作中の前頭前野(中央・左右)に有意な賦活が見られた。課題間比較では中央・左側において【B>A】【C>A】に有意差が認められた。CA群でも全課題で有意な賦活が確認されたが,課題間の有意差は見られなかった。ST群でとCA群の比較では,CA群が高い傾向にあり,特に課題Bにおいては中央,左側に有意差が見られた。このことより,美術表現の経験知の差が描画方法による脳活動に影響を与える可能性が示唆された。
TD群では,各課題制作中の部位ごとに有意な賦活が認められたが,課題間の差はなかった。一方,SN群では全課題の右側,課題Cの中央【B>A】の有意差が見られたことから,表現方法による前頭前野領域間の活性度に差異があることが示される結果となった。
描画中の脳活動は個人差が大きく,経時的変化の波形からは各部位の複雑な増減が認められた。TD・SN群のPeakTimeや重心値の比較からは,課題間,部位間において,課題提示時の活動の判断,制作中の注意の持続性,複雑な表現時の思考に関わると思われる賦活パターンの違いが見られた。これらより,創造的活動における前頭前野の多様な機能について多くの知見を得ることができ,発達支援における造形手法の選定の一助となる成果を得ることができた。

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公開日: 2025-12-26  

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