| 研究課題/領域番号 |
20K02713
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| 研究機関 | 桜花学園大学 |
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研究代表者 |
上村 晶 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (60552594)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 保育者 / 関係構築プロセス / 自律的可視化 / 意識変容 / Parallel-TEM |
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| 研究実績の概要 |
2021年度は、前年度より縦断的に調査している若手保育者4名(保育経験2-5年目)へ、第2段階の自律的可視化とインタビューを実施すると同時に、新たに1名の若手保育者(保育経験1年目)へ第1段階のエピソードに基づくインタビューと研究者との協働的可視化を実施した。両取組とも、2ヶ月に1回の頻度でParallel-TEMを活用して実施した。加えて、2020年度末に第1・2段階を終了した調査協力者1名(保育経験4年目)にフォローアップ・インタビューを行い、自律的可視化による自身の意識変容について尋ね、TEM(複線径路等至モデル)で分析した。
まず、第2段階の調査協力者から得られた自律的可視化の意義として、①目に見えない子どもとの関係性を継続的かつ視覚的に追認できるよさがあること、②自律的可視化は未来展望を描出でき、子どもへの次なる手立てが明確になることが見出された。また、第1段階の調査協力者からは、①子どもとの関係性を可視化することで、関係を築いていく際の次なる手立てが明確になること、②研究者との対話を通じて無自覚だった意識が喚起され省察が深まること、などの意義が得られた。
加えて、第1・2段階を終了した調査協力者のフォローアップ・インタビューからは、①協働的可視化と外部他者との対話はわかり合おうとする意識変容に影響を及ぼすこと、②可視化自体はわかり合おうとする志向性の涵養に資する可能性がある一方、園内の同僚等と子どもについて対話できる関係ができていることも重要であること、③自律的可視化は自己内対話を促進し、わかり合おうとする意識の確度の高さに資すること、が見出された。
今後も調査を継続し、保育者の意識変容のプロセスを明らかにしていく。ただし、2021年度はCovid-19等の影響を受けて調査協力者の休退職が生じたため、今後は長期的展望をもって調査を継続していく必要がある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュー調査や分析作業・調査協力者への分析結果開示などは、当初の予定通りに進んでいる。その一方、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、当初予定していた研究成果の公開(国際学会への渡航)が予定通りに進めることができず、やや遅れている。また、調査協力者の休職等も生じたことから、当初2年間で計画していた縦断的研究の延長なども視野に入れながら実施している。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、第1・2段階を終了した調査協力者2名(他1名は中途退職に伴い実施済み)へ、フォローアップ・インタビューや2年間を通じた意識変容に関するインタビューを行い、データ分析をしながら学会発表や論文執筆など研究成果の公開を行っていく予定である。
また、第2段階の調査協力者(一時的休職)と第1段階を終了した調査協力者には、第2段階の自律的可視化の調査を継続的に実施し、第2段階終了後にはフォローアップ・インタビューを試みていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、新型コロナウィルス感染拡大に伴う学内外の状況の変化によって、物品(図書や研究機器等)の購入が当初の予定通りに進まず滞ってしまったこと、また、国内学会や国際学会が非開催もしくは参集型非開催に変更されたことより渡航等が無くなったことなどが、次年度使用額が生じた最大の理由として挙げられる。
2022年度は、新刊図書や研究関連機器の物品購入等を積極的に進め、国内外の文献研究と同時にデータ収集・分析を進めていく。また、縦断的研究として蓄積されたデータの分析に加え、2年間の調査実施が終了した後の意識変容調査が本研究の主眼でもあることから、必要に応じてフォローアップ・インタビューを実施しながら、データを多角的・総合的に分析した上で、学会発表や論文投稿などを進めていく予定である。
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