研究課題/領域番号 |
20K02734
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三戸 治子 (酒向治子) 岡山大学, 教育学域, 教授 (70361821)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 舞踊教育 / 感性教育 / 教師教育 / Language of Dance(LOD) / 教師のパフォーマンス力 |
研究実績の概要 |
本研究では,教師のパフォーマンス力(非言語コミュニケーション力)の育成に焦点を当て,それらの資質・能力を育成する身体表現の手法を構築することを目指している。2021年度は,主に以下の研究成果が得られた。
(1)「Language of Dance(LOD:身体言語)オンライン・レクチャー」の講師として招聘され,本研究の核となる,Language of Dance(LOD:身体言語)についての基本的概念と,教育における有用性についてのレクチャーを行なった。 (2)岡山大学教養科目授業『身体表現学』におて,世界的な舞踏集団である「山海塾」ダンサーの市原昭任氏を招聘し,「山海塾」作品の特徴的な動きのモチーフを元に受講者たちが創造的に関わっていくという,ワークショップを実施。最終段階では,ショーイングイベントとして,成果を披露した(授業期間:2021年11月28日ー12月22日,振付・演出:市原昭任(山海塾)/企画コーディネーター:酒向治子,作品:『四神-青龍―・朱雀・白虎・玄武』場所:岡山大学教育学部体育館)。 (3)岡山大学大学院教育学研究科附属国際創造性・STEAM教育開発センター(CRE-Lab.)主催の,国際フォーラム「創造性教育の未来を考える CRE-Lab.フォーラム2022『創造する身体』創造性教育・教員養成の創造性カリキュラムで育成する力とは何か」において,教師が育む資質・能力の一つとしての「身体思考」という考え方と,上記のワークショップの成果の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画においては,初年度に実施した,LODを採り入れた即興的身体表現の手法(CCEIアプローチ)の実践的試行を踏まえ,実際の教育現場での実践を予定していた。しかしながら,新型コロナウィルスの影響によりカリキュラムが大幅に変更となったことを受けて,実践することができなくなった。今後,教育現場の状況を見ながら,可能な限り教育現場での実践・検証に取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2021年度および2022年度に試行したモデルカリキュラム・CCEI理論を土台としてさらに改善を行い,岡山大学教養科目授業『身体表現学』において,最終案を試行する。 (2)2021年度および2022年度に試行したカリキュラムの結果を,学習者の変容という観点から検証を行う。 (3)ジョンストンの即興ワークを展開するインプロ専門家,今井純氏のインプロ実践を教師の実践的指導力という観点からの考察し,論文にまとめる。 (4)これまでの研究の総まとめとして,HPや公開研究において研究成果の発信,および広報物によって広報を行い,教師の,特に非言語的パフォーマティブな指導力向上に資する先駆的な教師教育プログラムを提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画として,2020年度・2021年度に,「教師の非言語的パフォーマンス」に焦点化したキックオフ公開研究会を予定し,講師旅費・謝礼金・運営補助金等の経費を計上していた。しかしながら,2021年度も2020年度に引き続き新型コロナウィルス蔓延の影響によってそれらを中止せざるを得ない状況となった。そのため,それらの予定を2022年度に繰越し実施する予定である。
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