研究課題/領域番号 |
20K02735
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山内 孔 愛媛大学, 教育学研究科, 教授 (60846054)
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研究分担者 |
露口 健司 愛媛大学, 教育学研究科, 教授 (70312139)
増田 健太郎 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70389229)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | メンターシステム / サーベイフィードバック / OJT |
研究実績の概要 |
本研究は、メンター制度を用いた若年層教員の育成についてテーマとしている。2021年度には、松山市内の小学校において、大学院所属の現職学生を中心にメンター制度に関する研修会を実施し、次の2つの取組を実施し、その効果測定の結果を分析した。 一つ目は,調査結果を基にしたサーベイ・フィードバックの実施である。これまでのような先輩教員の経験や暗黙知の伝承に頼った指導だけでなく、児童調査結果を可視化しサーベイ・フィードバックを行うことで、学級の実態に応じた学級経営ができるようなることを目的とした。 二つ目は,若年教員のキャリア発達につながる OJT の実践である。若年教員を対象としたスキルアップ研修と、全教員を対象としたメンターシステム研修の二つの視点から OJT を計画し、実施した。先輩教員を「メンター」、若年教員を「メンティ」としてペアを組み、「メンティ」の指導、育成にあたるようシステムを構築した。 今後、若年教員の増加が続く現状において,全教職員が若年教員を育てていくという意識を持つことは不可欠なことである。職場の同僚性を高めるメンターシステム研修は、さらに重要になってくると考えられる。毎年 3 割程度の教員が異動し新しい人間関係を構築する必要のある学校現場こそ、同僚性の高い職場づくりを目指した取組が必要であることが明らかになった。例えば、ICT研修においてメンティになることが多い若年教員がメンターになる「分散型メンターシステム」も,全教職員の職能成長を促したり、若年教員の自己有用感高めたりするのに有効であることを感じた。この小学校ではメンターシステム研修の必要性を現在、感じていると回答した教員は少なかったが、今後研修の時期や内容を工夫して実践していく必要性を強く感じるとの感想も見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、県内での研修が実施できず、県外での研修会にも参加できなかった。徐々に対面での研修会も実施できる状況になってきており、実施対象を広げていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
公立小中学校でのメンターシステムを導入した研修の実施とその効果測定を行っていきたい。また、メンターシステムを普及させる取り組みにより、研究対象となる事例を増やし、効果測定を行い、効果的な実施方法について研究を推進していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研修会への参加ができなかった。オンラインでの研修会の実施となったため、会場費、講師旅費等が不要となった。今年度は対面での研修会への参加及び対面での研修会の実施を積極的に行う。
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