研究課題
令和4年度の前期は、小学校体育科から中学校保健体育科へと柔道の系統的なカリキュラムを構想する観点から、小学校中学年の児童を対象とした体つくり運動領域の多様な動きをつくる運動において、柔道の基本的な動きを学習内容として取り入れた教材を開発し、その有用性について介入を行った前年度後期の授業実践を検証した。令和4年度の後期は、その成果と課題を踏まえて、高学年の児童を対象とした体つくり運動領域の体の動きを高める運動の教材を開発し、研究協力校にて授業実践を行った。中学年を対象とした授業では、全6時間の単元計画で多様な動きをつくる運動の内容として学習指導要領解説体育編(2018)に示されている5つの運動(体のバランスをとる運動、体を移動する運動、用具を操作する運動、力試しの運動、基本的な動きを組み合わせる運動)で、柔道の基本的な動きを取り入れた教材を開発した。その開発した教材について、授業評価や体力・運動技能テストを用いて有用性を検証した結果、形成的授業評価では単元の学習過程が進むにつれて総合評価の得点が向上した。また児童の変化を幅広く捉えることを目的として取り入れた主観的評価でも7項目中、5項目の得点が単元後半に肯定的に変化した。さらに体力・運動技能テストでは、単元終了後(6時間目終了後)に男子女子ともに握力や摺り足での移動などの記録が高まった。以上のことから、本研究で開発した柔道の基本的な動きを学習内容として取り入れた柔道遊びの教材は、中学年を対象とした体つくり運動領域の多様な動きをつくる運動の教材として有用である可能性が示唆された。令和4年度の後期に行った高学年を対象とした授業実践は、実施時期が三学期だったため現在解析中である。
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Journal of Physical Education and Sport
巻: 22(2) ページ: 321-330
10.7752/jpes.2022.02041
巻: 22(7) ページ: 1639-1645
10.7752/jpes.2022.07206