本研究の学術的意義は、絵画専門教育と美術科教育学の架橋的研究を実践したことにある。その成果として、絵画表現における材料特性や技法を、受講者の知覚と表現に関連付けることにより授業試案を教材開発できたことにある。また、その授業試案は、幅広い表現欲求に対応可能にするため、2種類の授業試案で構成した。 社会的意義としては、高等学校の授業や部活動で実施可能な条件を満たし実践研究を進めたことや、公開研究会の実施とその報告書を高校教員に送付することにより研究成果を情報共有できたことにある。その情報共有は、高等学校美術授業への描画材の段階的併用技法導入につながり、青年期における表現離脱克服の一助になる。
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