研究課題/領域番号 |
20K02766
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕之 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90284158)
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研究分担者 |
長松 正康 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (00218025)
川田 和男 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10300633)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | STEM / ものづくり / 技術教育 / 段階的構想設計 / ばねばかり |
研究実績の概要 |
令和2年度の研究は,当初の計画通り,主として「ばねの伸び縮みに伴う変位を,アナログ型のフォトカプラにより計測するシステム」の構築を行った.その結果,おおむね順調に,教材プロトタイプの開発を行うことができた. 研究の内容としては,主としてばねばかり本体のハードの構想設計及び詳細設計を行い,細部の加工法・組み立て法までを,加工可能な教材としての可能性を検討した.本体には,秤量皿,変位読み取り装置のグラデーションシート,それを挟み込むように配置するフォトカプラおよびばねが直列/並列に連結されていなければならない.部品点数削減のため,およびシンプルでわかりやすい構造として,今回はこれらを互いに「ひも」を用いて直列の数珠つなぎとする構成を取った.その結果,本体中央部にプーリーを置いて,荷重方向を180度転換させる配置とすることで,本体の高さを抑えられ使用しやすい構成となることが分かった.この製品に,先行開発していたフォトカプラとグラデーションシートを用いた変位読み取り装置と組み合わせて,正確な兵糧地の読み取れるばねばかりとしてまとめ上げることができた.また,当初は「金属ばね」を用いることを想定していたが,この部品をより安価な「輪ゴム」に差し替えたところ,差し替えできることが明らかとなった. 以上の結果は,第49回日本産業技術教育学会中国支部大会において「段階的構想設計を取り入れたSTEM型教材としてのばねばかり」として公演発表したほか,「鈴木裕之,中村匠貴:段階的構想設計を取り入れたSTEM型教材としてのばねばかり-電気的な秤量値読取機構の段階的構想設計-,テクノロジー教育,(2021) in press」として論文を執筆した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研申請以前から行っていた内容の継続研究であったことも含めて,おおむね順調に研究は推移した.特に,天秤(またはばねばかり)の本体の教材化の前に,フォトカプラなどを用いた電子的読み取り装置等を先行開発しておいたことで,製品の評価がやりやすかったことが,スムーズな研究につながった. 今後もこのペースを堅持して,研究を続行する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度の研究で,ばねばかりの「機構部」「電子手見取り部」の両者が一応の完成を見せたので,今年度はこの教育コンテンツを実践投入する.すでに,広島大学の付属学校とコンタクトを取り実践授業の時間枠を確保している.ただし,実践投入可能な時間枠に限りがある(2時限×2日)ので,この中で想定している教育内容を効率的に実施するべく,さらに教材のブラッシュアップを行っている.なお,本内容に関しては,日本産業技術教育学会の全国大会にて発表する予定である.
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