研究課題/領域番号 |
20K02770
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
川西 基博 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50551082)
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研究分担者 |
栗和田 隆 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50616951)
内ノ倉 真吾 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70512531)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 奄美群島 / 校庭 / 身近な生物 / 環境教育 / 生物多様性 / 理科教育 |
研究実績の概要 |
2021年度は,引き続き奄美群島の小中学校で観察することができる植物の調査を進めるとともに,昆虫を主とした動物の生息状況調査も行った.夏季に沖永良部島,春季に加計呂麻島と奄美大島において校庭の植物と動物の分布調査を行い,各学校の動植物の多様性に関する基礎資料を得ることができた.沖永良部島の対象校においては今回の調査で春季と夏季の植物相のデータが揃い,植物の多様性の全体像を解明することができた.また,加計呂麻島では3校において春季と夏季のデータを取得できたことに加え,これまで未調査だった学校でも調査を行い,島内すべての小学校の調査データを取得することができた.動物調査は主に昆虫をはじめとした節足動物を対象として行った.全ての調査対象校で行うことができず,捕獲できた個体のみの記録となったが,確認した動物の写真や生態的情報は理科や生活科での活用が期待できる. 一方,鹿児島市内の小学校において校庭の植物観察と標本作成を題材とした授業,および昆虫の飼育と行動の観察を題材とした授業を行った.この授業では,児童だけでなく教職員も参加していただき,当該学校の校庭に実際にどのような植物が生育しているのかについて解説した.この授業をもとに,より効果的な授業計画と教材を開発してく予定である. なお,比較の対象として鹿児島大学教育学部附属幼稚園でも校庭の植物の調査を行い,幼稚園教育での活用について検討するための基礎資料を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は現地調査も夏季と春季の2回を行うことができ,当初の目標を達成することができた.これまでの調査で,喜界島,奄美大島,加計呂麻島,徳之島,沖永良部島,与論島の校庭の調査を実施しており,奄美大島,加計呂麻島,徳之島,沖永良部島については春季と夏季の調査データを取得することができている.また,動物の調査は奄美大島,加計呂麻島,沖永良部島で実施することができ,おおむね本年度の目標を達成することができた. 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から,本年度も奄美群島の学校での授業は行うことができなかったが,鹿児島本土の小学校で本課題の目的となる授業を行うことができた.その内容を奄美での授業実践に応用することが可能であり,一定の成果が得られたと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は引き続き奄美群島の小学校校庭の植物・動物調査を進める.特に,動物相については調査校数が十分ではないため,さらに調査校数を増やす. 校庭の動植物を教材とした授業については,校庭調査の結果を踏まえて効果的な植物種,動物種を選定し,より具体的な授業計画を構築する.授業については,新型コロナウイルスの状況をみながら奄美での実施を計画する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により現地調査が困難だった2020年度分の予算が計上されていたため,旅費にわずかながら残金が生じた(2119円).この残金は次年度予算の旅費として使用する予定である.
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