研究課題/領域番号 |
20K02775
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
河野 順子 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (80380989)
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研究分担者 |
古賀 洋一 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00805062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 論理的思考力 / 表現力 / 幼小中連携 / 国際比較 / カリキュラム開発 |
研究実績の概要 |
以下のように研究実績を報告する。 まず,1点目に,社会構成主義を基盤とした「学び」観によるコミュニケーション能力育成のためのカリキュラム案の精緻化を進展させることができた。既に本カリキュラムについては,これまでの河野と実践現場との連携研究や島根を拠点とする研究によって、幼稚園年長組から入門期にかけてと小学校から中学校へかけての臨床的研究の積み重ねがある。(河野(2008)及び河野順子・熊本大学教育学部附属小学校(2013)『言語活動を支える論理的思考力・表現力の育成』渓水社)。今回、新たに付け加わえることができたのは幼稚園での参与観察にて明らかになった点である。 次に、研究協力者である台湾の研究者の一連の就学前教育に関する研究については、台湾の小中教育に深く関わってきた台湾の研究者、実践者による幼小中連携研究との共同研究・比較研究を加え、論理的なコミュニケーション能力育成のための基盤調査をさらに重ねることができた。しかし、本年度は、コロナウイルス感染の影響で台湾への渡航は難しく、これまでに蓄積してきたものをもとに分析を進めることとなった。日本でのこれまでの研究の蓄積と台湾での調査・実験による知見を加えていくには台湾への渡航が必要であり、コロナウイルス感染の収束と共に再開したい。さらに、台湾・熊本・東京・島根の実践現場との連携研究を進めてきた論理的なコミュニケーション能力のカリキュラムの精緻化も本年度は、日本での連携研究にとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
まず,社会構成主義を基盤とした「学び」観によるコミュニケーション能力育成のためのカリキュラム案の精緻化を進展させることについては、本年度は、新たに幼稚園での参与観察にて明らかになった知見を加えることができたことは進展があった。 次に、台湾の小中教育に深く関わってきた台湾の研究者、実践者による幼小中連携研究との共同研究・比較研究についてはコロナウイルス感染の影響で渡航が難しく、これまでの蓄積をもとに分析するにとどまった。さらに、台湾・熊本・東京・島根の実践現場との連携研究を進めてきた論理的なコミュニケーション能力のカリキュラムの精緻化も日本での連携研究にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
<令和3年>令和2年度の台湾の研究者、実践者による幼小中連携研究との共同研究がコロナウイルス感染の影響で滞ってしまったので、継続すると共に、これまでの日本での幼小中連携研究の成果との比較研究を行い、統合的分析による,論理的思考力・表現力のカリキュラムの整備を図る。これまでの日本での論理的コミュニケーション能力の発達研究を基盤にしながら、台湾での調査、実験研究で得たデータを加えて、幼小中の接続を重視した論理的なコミュニケーション能力育成のための研究の基盤づくりを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナウイルス感染の影響で予定していた旅費が国内、国外共に消化することができなかったためである。次年度もコロナウイルス感染症の影響のために旅費の使用は難しい状態であるため、パソコンなどの機器を充実させ、資料分析、蓄積に力を入れていきたい。
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