研究課題/領域番号 |
20K02788
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研究機関 | アール医療専門職大学 |
研究代表者 |
橋爪 和夫 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (80189472)
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研究分担者 |
金子 泰子 富山国際大学, 子ども育成学部, 講師 (00795958)
澤 聡美 富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (80369488) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 運動有能感 / 受容感 / 統制感 / 小学校体育科授業 |
研究実績の概要 |
本研究は運動が苦手な児童が体育の授業を好きになり生きる力を獲得するための実証研究である。本年度は、運動が嫌いだと思い続けている児童(PS児)を特定して、運動が好きだと思うように変容するための仮説を実証することである。教員は子どもの態度の変容があっても、当たり前の事象として見過ごす可能性がある。本研究は、そのような事象をもデータベース化して普遍化しようとするものである。最初の仮説の実証は「受容感」を高めることである。PS児の受容感が高まる機会を授業観察参加や運動学習支援・介入において創出することであった。本年度は、2023年2月から3月にかけて、富山県T小学校に在籍する5年生42名を調査した。岡澤らによる運動有能感調査の合計点が学年の平均値以下で、かつ、新体力テストの合計点が集団内の平均値に近い児童3名を抽出した。小学校教員を志望している大学生9人が、抽出児童3人の正課体育学習支援者として学校長の許可を得て合計8回体育科のバスケットボールの授業に参加した。大学生は、抽出児童3名を中心に、全児童に積極的に励ましや、取り組みや成長を認める言葉かけを行った。授業終了後に体育学習支援者から抽出児童3名との会話内容を記録した。授業介入後の運動有能感調査の結果から、抽出児童3名のうち、2名の合計点が授業介入前よりも向上した。1名の児童については、合計点の向上はみられなかった。抽出児童3名の観察と学習支援の記録から、運動有能感が低い傾向にある児童は、学習支援者の声かけや関わりの機会を増やすことで、受容感・統制感を高めることに有効であることが示唆された。体力の向上や運動技能の向上につながる支援は困難であるが、運動に対する自信をもつことができない児童の運動有能感を向上させるための支援の可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は小学校の正課体育の授業研究の介入研究はできた。これは、これまでの研究の追加研究である。対象児童を含めて、放課後の児童の活動の中での運動有能感の育ちを確認することができなかったことが、やや遅れていることの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はこれまでの正課体育授業の介入研究を継続するとともに、学校以外での児童の運動有能感の育ちの調査を行う。本年度の実践を踏まえて、校外の運動指導者や学童保育の施設指導者と連携して調査するための取り組みを始めているところである。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は学童保育の場での調査ができなかった。小学校の児童のサンプル調査は実施できたが、十分な人数ではなかった。学生によるデータ収集の研究協力費として計上した額が指導できなかった。次年度はさい
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