フランスの道徳・市民・宗教教育について専門を異にする研究代表者、分担者が学際的に研究をすすめることができた。最終年度(本来は3年の予定であったが、延長して4年目にはいった)の最大の研究成果としては、代表者が「フランスの道徳・市民教育」(2023年、晃洋書房)という単著をだすことができたことである。このなかでは、公立・私立学校における道徳・市民教育についても言及されており、本科研の研究成果としてだすことができた。記述はどちらかというと公立学校における学習指導要領にもとづく実践が研究対象になっている。フランスの道徳・市民教育を歴史的にも検討し、現代の問題につらなることとしてとらえて一書にまとめることができた。それは宗教教育との関連をなかに含んでいる。他に、代表者・分担者による共編著もある。 全体として、代表者は2022年度にフランスの私立学校に関する原稿を紀要に投稿しているなどほかの執筆原稿もある。予定どおりにすすめることができなかった点があるが、その第一の理由はコロナである。当初、3年間のあいだに一度は代表者、分担者が渡仏する予定であったが、外国にいくことがむずかしい状況がつづいたために、2024年3月になってからようやく渡仏することができた。そのときに入手した情報や資料は多々あるが、残念ながら2023年度中に研究成果としてまとめることに使用することはできていない。これは時間的な問題として致し方ないことと考える。もちろん、これで研究を終了させるわけではなく、今後の研究に生かしていき原稿を執筆し、社会に還元していく所存である。
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