研究課題/領域番号 |
20K02811
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
梶山 曜子 広島文化学園大学, 学芸学部, 講師 (50781259)
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研究分担者 |
鈴木 明子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90220582)
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
村上 かおり 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (80229955)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域連携 / 協働 / 家庭科教育 / 子育て支援 / 手仕事 / 家庭支援 / 高等学校 / 家庭科カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究では,大学と高等学校とが連携し,家庭科教育の視点から,地域の子育てする親と子を対象とした手仕事体験プログラムの教材や指導方法を開発,運営実施し,その効果を検証する。 2020年度に実施した親子講座の課題では,父親参加の少なさや,親子講座で行う手仕事教材を高等学校家庭科カリキュラムに組み込む難しさがあった。そのため,2021年度は,地域や教材を再検討して新たなプログラムを実施することとした。父親参加の少なさについては,消極型の子育て観をもつ父親の語りの質的分析から検討を行った。高校生が行う親子講座に父親が参加することによって,父親の子育て観の変容だけでなく,子どもの生活技能習得に対する認識も変容をする可能性があることについて,日本家政学会第73回大会にて発表した。 2021年度は福祉科をもつ高等学校と地域の子ども図書館及び児童館と連携し,保育関連の進路を志望する2年次の家庭に関する専門科目「子どもの発達と保育」と3年次の「課題研究」のカリキュラムの中で,新たな手仕事教材の検討を行った。検討した手仕事教材を親子講座として,3年次の「課題研究」の中で企画運営実施した。講座を企画運営した高校生や連携協働した地域の子ども図書館の方,参加した親子には質問紙調査を行い,現在それらを分析中である。2020年度に行った親子講座で得られた知見を踏まえて地域との連携・協働の在り方について,『新・教職課程演習 第21巻』の第3節で執筆した。検討した手仕事教材についての親と子による手作り品の受贈経験に関する知見は日本家政学会誌に発表した。また,2019年度に行った親と子の手仕事体験講座に参加した父親,母親3組6名にその後の子育て観の変容や講座参加後の子どもの変化などについてインタビュー調査を行い,現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,地域を東広島市から三原市に広げ,福祉科のある高等学校との連携に取り組んだ。手仕事体験教材については,父親の参加をねらい検討を行った。高等学校の3年次の「課題研究」と2年次の「子どもの発達と保育」のカリキュラムに教材研究を組み入れ,3年次の「課題研究」の一環で2回の親子講座を企画した。第1回は2021年10月23日に地域の子ども図書館と連携して親子講座を実施した。第2回は2022年1月15日に地域の児童館と連携して実施する予定であったが,実施地域にまん延防止等重点処置が発令されたため,講座を中止することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度となるため,ホームページ等を作成し,今まで行ったプログラムについて,広く一般に発信する予定である。また,昨年度福祉科のある専門高等学校で行った家庭に関する専門科目のカリキュラムについては,家庭科教育学会中国地区会の研究報告書に発信する予定である。昨年度,2回目に予定していた親子講座がまん延防止等重点処置となり,中止となったため,今年度6月に,進級した3年生が引き継いで実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画していた親子講座のうち第2回講座がまん延防止等重点措置の期間で開催できなかった。次年度,進級した3年生が実施するための手仕事教材費として使用する予定である。
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