研究課題/領域番号 |
20K02813
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
山本 奬 岩手大学, 教育学研究科, 教授 (90552612)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 不登校 / コンサルテーション |
研究実績の概要 |
本研究では不登校児童生徒を支援する教師のためのコンサルテーションの効果的な構成と展開を明らかにすることを目的とする。支援の内容と方法からなるその知見を「コンサルテーションシート」としてまとめ、実践に付すことができる形で社会に提供し、心理職等による教師支援に加え教師相互のコンサルテーションに資することをねらいとする。実証的裏付けを備えた知見を実践可能な形で提供するところが本研究の特徴である。 具体的には、研究1では,コンサルテーションの展開パターンの分類;実際のコンサルテーションの逐語記録を検討することにより、不登校児童生徒及び教師の変容パターンについて明らかにする。研究2では,コンサルテーションニーズの測定を新たに作成する。 研究3では,既存の不登校状態測定尺度(山本,2007)の改善を行う。研究4では,研究1~3の成果を基に,不登校児童生徒支援コンサルテーションシートの作成と効果の検証を行う。 2020年は,コンサルテーションの展開パターンの分類(研究1)のために必要なコンサルテーション事例を8件及び予備となる事例3件を、実施・収集した。その内8件について,簡易な逐語記録に起こし,関係専門家の協力を得て分析の視点の整理に着手した。また,コンサルテーションニーズの測定(研究2)については,暫定尺度作成に必要な表現の収集に着手した。さらに,不登校状態測定尺度の改善(研究3)に関する「学習の遅れ」を表現の収集に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コンサルテーションの実施に関しては,当初の予定を越えて実施することができたが,その分析に関することには,若干の遅れが生じた。また,量的測定のための表現(項目)の収集に関しては,遅れが生じた。これらは,新型コロナウイルス感染拡大防止の観点や施策により対面での検討に制約が生じたこと,並びに項目収集を予定していた教員研修会等が遠隔実施に変更され,対面での実施ができなかったことによる。これらの進捗状況を総合し,「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
コンサルテーションに関しては,予定通り研究2年目も実施し,必要数を確保する。研究2のコンサルテーションニーズの測定に係る項目収集,並びに「学習の遅れ」に係る項目収集については,今後も対面による教員研修会等が実施できないことを想定し,教職大学院に学ぶ現職教員の大学院生等に研究協力を依頼するなどの方策によることとする。その後の尺度化については,地域の各校種の学校に協力を求めることで,その課題に対応することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点と関連施策により,対面を必要とする研究に滞りが生じたことにより,次年度使用額が生じた。この滞りについては,効果的に研究協力を求めること,調査対象者を研究に支障のない範囲で変更することにより解決しようとするものであり,この対応策に沿って次年度使用額を使用する計画である。
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