最終年次にあたる3年次において、『中学校保健体育の学びのこよみ』の各運動領域すべてをカバーできなかったため、補助事業期間を延長し、未着手のダンス領域の取り組みを進めると同時に、『運動遊びのこよみ』や『小学校体育の学びのこよみ』のリズムダンスの内容の強化を図った。 成果として、幼稚園から小学校低学年を対象としたリズムダンス動画及び解説を2本、小学校中学年を対象としたリズム動画及び解説を2本、小学校高学年を対象としたリズムダンス動画及び解説を1本、中学校を対象としたリズム動画及び解説を1本、計6本のデジタルコンテンツの開発及びリズムダンスのデザインの行い方を開発した。開発した内容については、ワークショップ(園児・児童12名を含む50名の教員研修)、小学校体育科授業及び運動会の表現運動(全校児童約500名の小学校)、中学校保健体育科授業及び三年生を送る会(全校生徒約600名の中学校)において実践・検証した結果、参加者・児童・生徒・教員から好意的な感想が多数あった。特に教員からは、振り付けの指導を行わなくても恥ずかしがらずにリズムに乗って踊り、自然に振り付けが身についていくデザインに関心が集まった。こうした「選曲、音ハメ、曲面」の観点からのデジタルコンテンツ・デザイン開発と「聴く・つなぐ・戻す」という観点からの学習指導をつなぐ新たな学びのスタイルの可能性が見いだせた。 なお、幼小接続実践研究プロジェクトと小中連動実践研究プロジェクトの二つのプロジェクトを統合して「学びの会」として研究を推進すると同時に、研究協力者(実践研究)を講師として招聘し、進捗状況に対する評価とコメントを受けた。「学びの会」は、一般教員や学校教育関係者、院生、学生らにも公開する形で6回開催し、のべ146名の参加者があった。
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