研究課題/領域番号 |
20K02823
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10379323)
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研究分担者 |
中本 和彦 龍谷大学, 法学部, 准教授 (80513837)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 市民性 / アジア / 社会系教科 |
研究実績の概要 |
子どもの市民参加に社会系教科教育はどのように寄与できるか,アジアの各国の社会文化的文脈の中で,社会系教科教育はどのように子どもの学び,その成長を支えているのか等について調査研究を進めた。2020年度は,日本と韓国(ソウル教育大学)・インドネシア(スラバヤ大学)の研究者とネットワークを結び,双方向オンラインによる研究会を2020年9月より月1回のペースで開催した。 政治・経済・社会的背景を異にする各国の現状について,とくに新型コロナ禍の中での各国の学校現場の様子についても意見交換した。各国の国民性の軽視や大切にされる価値が異なり,教育課程における社会系教科目の編成のされ方や教科書の記述内容等が報告された。インドネシアでは,多様性について,国家形成の歴史的背景や民族構成から「パンチャシラ」の概念について報告があり,理解を深めた。民主主義の浸透や国民性の涵養について議論された。韓国では,一極集中の都市と地方との経済や交通など格差の問題が取り上げられた。日本では,最近の学習指導要領の改訂とインドネシアの教科書記述について紹介された。教科書記述における社会的事象,扱われ方,その中で市民性がどのように培われるのか,研究方法について検討する必要が出てきた。また調査アンケート項目について,引き続き検討し具体的項目の確定を急ぎ行う必要がある。社会系教科教育が今後,どのように子どもの学び,その成長に関与するのか,授業実践の協力者を募り,プレ・ポストアンケートを行い,その有効性を検証することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの影響により,双方向オンラインによる情報交換は行っているが,各国の実態調査研究:教員等への調査から実態を把握,課題を分析することが実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
社会系教科の教育課程・教科書を分析する。 <2年次>実践研究(単元開発・授業実践・授業分析),データ分析 各国の研究者・研究協力者からなるグループで,単元開発・授業実践・授業分析の三つを柱としながら,実践研究を展開する。アジア,日中韓の社会文化的文脈の中で,社会系教科教育が子どもの学び、その成長を捉えているのか,研究者・実践者のネットワークを構築し,理論と実践の動向を明らかにする。また,国際社会科教育学会 (International Social Stu-dies Education Research Association)と連携して,インドネシアを調査訪問し,スラバヤ大学のNasution氏と研究の調整を行う。 アジア諸国の市民に求められるリテラシーの特異性を重視し,東アジアの平和と共通の発展を前提に自己主張,相手の尊重,協力,共生を目指すにはどのようにすべきか,このような視点を社会系教科教育に導入する必要がある。また,国家と個人の間には緊張関係があり,国家への傾斜が強まると,権力や民族アイデンティティの維持のために歴史が歪曲されたり,個人への傾斜が強まると,公的な参加や公共性が崩れるという批判が強まったする。子どもたちが「考える」社会科,特に人権・生命を尊重し,権力や制度との接し方を学ぶ教育への転換が重要となる。本研究では①社会科はどのように子どもの市民参加に寄与できるか,市民が備えるべきミニマムな能力は何か,②子ども自身が,今何が社会の課題なのかを見つける力,その社会における「義務や権利」の認知能力に焦点を当てる。③地域・社会の一員としての「参加」能力を育成する事例の開発・検証を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ(COVID19)の影響により,海外及び国内におけるフィールド調査が実施できていない。
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