研究課題/領域番号 |
20K02827
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
久我 直人 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20452659)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自尊感情 / 心理的安全性 / 教職員の協働 / 子どもの内面と行動の構造 |
研究実績の概要 |
「子どもの内面と行動の構造」を可視化するアセスメントシステムを開発するために、先行研究をもとに、①学習に対する意識と行動にかかる項目と②学校生活における「生活規範」にかかる意識と行動にかかる項目を策定すると共に、③子どもの自尊感情(本研究では「自分への信頼」とした)と④教師、保護者、友達への信頼にかかる項目を策定した。さらに、不登校の要因にもなる学級集団への意識や認知にかかる子どもが感じている学級集団への「心理的安全性」のアセスメント項目を策定した。 このように策定したアセスメントアンケートを実践研究校で実施し、因子分析等を通してアンケート項目の整理を行うとともに、子どもの学びや生活での行動が子どもの内面(自尊感情)とどのように構造的に繋がっているのか、さらには「心理的安全性」との関係を含めて共分散構造分析ソフトを用いて解析した。 このように解析し、可視化した子どもの内面(自尊感情)と学びや生活での行動の構造的な繋がり、さらには学級集団の「心理的安全性」との関係を構造図にまとめた。 さらに、この子どもの内面と行動の構造図を実践研究校の全教職員で共有し、この構造図に適合した「効果のある指導」を組織的に策定した。全教職員で策定し、共有された子どもの内面(自尊感情)を整える勇気づけの言葉掛けが「ボイスシャワー」として組織的に実施された。 結果、子どもの「自分への信頼(自尊感情)」の高まりと学びや生活の安定がデータから確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本実践研究において、計画された子どもの内面と行動の構造を可視化するアセスメントシステムの開発が、実践研究校の子どもたちのアンケートの実施により進捗した。 また、アセスメントシステムによって可視化された子どもの内面と行動の構造図を全教職員と共有することによって、実践研究校の子どもが抱える教育課題を組織的に把握し、さらにその課題を解決するための具体的取組が組織的策定された。 結果、アセスメントシステムの構築と共有を通して、教職員の協働が生み出されたことから想定したアセスメントシステムの機能が駆動したことが確認された。 さらに、全教職員によって策定された「効果のある指導」が組織的に展開され、結果として子どもの「自分への信頼」の高まりと学びと生活の安定がエビデンスベースで確認されたことで本プログラムの機能が一定程度実証された。
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今後の研究の推進方策 |
今後、実践研究を蓄積し、精緻化を図ることによって汎用可能性を高める。 そのために、さらに校種の異なる複数の実践研究校へアセスメントシステムを導入し、システムの機能と効果を検証する。 特に、高等学校や同一市内の複数の学校のデータを収集し、子どもの内面と行動の構造の校種間や学区間の差異を抽出する等、アセスメントシステムの精緻化を図る。 また、アセスメントシステムによって可視化された子どもの内面と行動の構造をもとにした全教職員による組織的省察の展開方法を明示化し、学校改善プログラムの構築に繋げる。
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