研究課題/領域番号 |
20K02830
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
武田 昌則 琉球大学, 法務研究科, 教授 (60404547)
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研究分担者 |
田中 洋 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (00381195)
西山 千絵 琉球大学, 法務研究科, 准教授 (20633506)
吉田 安規良 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (30381198)
吉田 英男 琉球大学, 法務研究科, 准教授 (70805522)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スクールロイヤー / チーム学校 / 学校現場 / 子どもの最善の利益 / 法曹倫理 / スクールリーガルマインド |
研究実績の概要 |
研究代表者(武田)が外部協力者の弁護士(沖縄弁護士会に所属し、沖縄県内の他の小中学校のスクールロイヤーも兼任している。)とともに琉球大学教育学部附属学校(小学校及び中学校)のスクールロイヤーに就任し、スクールパラリーガルとしてこれを補佐する研究分担者(西山)とともに、スクールロイヤーチームとして附属学校からの相談業務等に従事しつつ、琉球大学教育学部附属中学校の校長・教頭・担当教員・支援員・スクールカウンセラーで構成される生徒支援委員会に出席して、学校現場の状況を把握するとともに、法的な観点を交えた意見交換を行った。 これらの活動を通じて、琉球大学教育学部附属学校の運営に関わる琉球大学教育学部・教職大学院の教員(研究分担者の吉田及び田中を含む。)と議論を重ねながら、学校現場での問題解決に貢献できるスクールロイヤーの在り方(スクールロイヤーに対する需要も含む)について研究した。 研究内容は、①スクールロイヤーを子どもの最善の利益を図るべき存在と位置づけたうえで、それが法曹倫理に反することなく、学校現場に適合する存在であるための理論的な検討、②スクールロイヤーが学校現場において貢献できる具体的な場面、例えば部活動における問題状況の検討、及び、③スクールロイヤーを学校現場の問題解決を支援する「チーム学校」の一員として位置付けたうえで、学校現場にスクールリーガルマインドを適切に浸透させていくための役割の在り方についての検討、の3点が中心である。各点について現時点での研究成果を論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で予定していた出張研究を実施できなかったが、研究の主要なプラットフォームである琉球大学教育学部附属学校での調査研究については、極めて順調に進展している。全体として、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度の調査の結果を踏まえて、琉球大学教育学部附属学校との間で、「スクールロイヤー」の在り方を規定した「協定書」の締結に向けた研究をより具体的に展開する。 教育活動についても、琉球大学法科大学院において、琉球大学教育学部・教職大学院の教員や外部の専門家、さらには沖縄県外の「スクールロイヤー」「スクールコンプライアンス」の専門研究者による授業を組み込んだ「子どもの教育と法」という授業を開講するとともに、臨床科目である「クリニック」の中で、琉球大学教育学部附属学校現場での相談に対応する「スクールロイヤークリニック」を実施することを通じて教育活動の連携を行い、島嶼沖縄の教育現場の実際に根ざし、「スクールロイヤー」の養成のための教育活動を本格的に展開する。 さらに、学校現場への即効的還元が期待される内容を教員免許状更新講習等を通じて、現職教職員の学びとして提供する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度においてはコロナ禍により出張研究を行ったり、沖縄県外の研究者を招聘したりすることができなかったので、予定していた旅費を十分に使用できなかった。 次年度以降の使用計画については、琉球大学教育学部附属学校と「協定書」の締結に向けた研究、「部活動指導員」の効果的な養成のための研究、「スクールロイヤー」の養成のための教育活動、及び、教員免許状更新講習等を通じた「スクールロイヤー」の周知及びスクールリーガルマインドの養成のための研究を目的として、外部の専門家からの知見を得るための旅費や人件費、及び、参考とすべき先進的な取組みを調査するための旅費等を積極的に活用していく予定である。
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