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2023 年度 実績報告書

SDGs時代の実践的・体験的学習とシティズンシップをつなぐ家庭科教育の理論と評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K02834
研究機関日本女子大学

研究代表者

望月 一枝  日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード家庭科 / 実践的・体験的学習 / シティズンシップ教育 / 受動的体験 / グローバルネットワーク社会 / 手の倫理 / 人間の脆弱性 / ケア
研究実績の概要

本研究の目的は、家庭科の実践的・体験的学習とシティズンシップ教育の関連を検証し、SDGs時代に教育に求められている生活の変容を促す家庭科教育の理論と評価を解明することである。具体的には、衣、食、住などの実践的・体験的な学習とシティズンシップをつなぐ授業を開発して授業実践分析や家庭科教師へのインタビュー調査によって、育まれた技能と価値観や倫理観などを評価する。
小学校の授業開発と授業観察、家庭科教師へのインタビュー調査、シドニーで開催されたオーストラリア教師教育学会の参加、文献調査などから以下の結果を得た。
第一に、生活を親密圏と公共圏の再編として捉えることを通して自分と社会を変える家庭科教育の可能性と意義を明らかにした。第二に、家庭科の実践的・体験的学習では、「生活の役にたつ」プラクティカルな能力の育成を目的として能動的経験を強調する傾向があるが、生起している受動的体験に着目し、それらが児童の内側で総合する活動を時間的・空間的にデザインすることによって、児童の主体性が育まれることを提示した。第三に、育まれた技能と価値観や倫理観には、人間の脆弱性に応答する主体性や想像力、ケアの倫理があった。特に家庭科の実践的・体験的学習には、「手の倫理」が見いだされた。本研究成果は、全国の家庭科教育研究者たちとのオンラインの研究会によって集団的に批判検討され、研究代表者執筆論文や著書(共著)にした。
成果物は、2つの研究者代表論文と3つの共著に刊行した。高校の家庭科教科書検討会編「グローバルネットワーク社会における家庭科―誰もが幸せになるために」日本家庭科教育学会編「家庭科の独自性と教師のポジショナリティ」大学家庭科教育研究会編「命と人生をケアする家庭科シティズンシップ教育ーエコロジカルアプローチ」を執筆して、広く家庭科関係研究者に批評を受けた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 図書 (2件)

  • [図書] ウェルビーイングの主体を育む家庭科教育の理論2024

    • 著者名/発表者名
      大学家庭科教育研究会編、荒井紀子、赤塚朋子、望月一枝、佐藤裕紀子、岩崎香織、齋藤美保子、上野顕子、牧野カツコ、叶内茜、渡瀬典子、小川裕子、室雅子、小清水貴子、瀬川朗、中屋紀子、田結庄順子、柳昌子、小高さほみ
    • 総ページ数
      242
    • 出版者
      ドメス出版
    • ISBN
      9784810708677
  • [図書] 家庭科教育研究が拓く地平2024

    • 著者名/発表者名
      日本家庭科教育学会編、工藤由貴子、大本久美子、荒井紀子、土岐圭祐、堀内かおる、上野顕子、綿引伴子、叶内茜、渡瀬典子、石島恵美子、萬羽郁子、佐藤ゆかり、鈴木真由子、鈴木明子、土屋善和、小清水貴子、望月一枝、貴志倫子
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      9784762032950

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公開日: 2024-12-25  

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