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2020 年度 実施状況報告書

プレイワールド・デザインに基づく保幼小接続期カリキュラムの臨床教育学的開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K02842
研究機関藤女子大学

研究代表者

庄井 良信  藤女子大学, 人間生活学部, 教授 (00206260)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード遊び / プレイワールド・デザイン / 保幼小接続 / ヴィゴツキー / 情動体験 / フィンランド / リトアニア / 臨床教育学
研究実績の概要

本研究の目的は,フィンランドやリトアニアの研究機関との共同研究の成果に基づいて,臨床教育学の視座から,保幼小接続期カリキュラムの基礎理論と,その具体的な教育実践の典型事例を明らかにすることである.
第1期(令和2年度)は,文化歴史理論において展開されている,ヴィゴツキーの遊びと学びの移行支援理論(PWDの諸研究を含む)や,保幼小接続期のカリキュラム開発に関する内外の文献を収集・精査し,本研究における生成的な問いと理論仮説を構築した.
1つには,ヴィゴツキーの人間発達援助理論とその影響のもとに発展している文化歴史的理論において,情動体験(perezhivanie)の理論,3歳及び7歳における発達の危機の理論,遊びと学びの接続期における「発達と教育」の理論等を中心に,プレイワールド・デザイン(PWD)の教育・保育実践に関する内外の文献を蒐集した.その文献データに基づく先行研究のレビューを行うことを通して,保幼小接続期カリキュラムに関する発達論的な基礎理論を構想した.
2つには,保幼小接続期カリキュラムの開発に関する理論的な先行研究と先導的な教育・保育実践に関する内外の文献を蒐集し,その文献のレビューを行った.また,その理論構築のためにフィンランドやリトアニア等の大学・研究機関の研究者との国際的な情報交流を行った.そのことを通して,保幼小接続期カリキュラム開発に関する教育学的な基礎理論を構想する準備を行うことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は,国際的な規模で新型コロナウイルス感染が拡大したため,フィンランドやリトアニアの研究機関と対面での共同研究の整理が不可能となったが,ZOOMミーティング等で、情報交換を進めることができた。また,臨床教育学の視座から,保幼小接続期カリキュラムの基礎理論について,国際的な研究成果や内外の文献を蒐集することができた.
初年度に蒐集したヴィゴツキーの遊びと学びの移行支援理論(PWDの諸研究を含む)や,保幼小接続期のカリキュラム開発に関する内外の文献について精査し,研究の土台となる概念マップを構想することができた.また、ヴィゴツキーの人間発達援助理論とその影響のもとに発展している文化歴史的理論において,情動体験(perezhivanie)の理論,3歳及び7歳における発達の危機の理論,遊びと学びの接続期における「発達と教育」の理論等を中心に,プレイワールド・デザイン(PWD)の教育・保育実践に関する概念マップを構想することもできた.その成果の一部を,研究雑誌等で公刊することもできた.以上のことから,初年度の研究は,おおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

保幼小接続期カリキュラムの開発に関する理論的な先行研究と先導的な教育・保育実践に関する内外の文献を蒐集し,その基礎的な文献のレビューを行ったが,それの妥当性を高めるために,フィンランドやリトアニア等の大学・研究機関の研究者との国際的な情報交流をさらに深く展開していきたい.そのことを通して,国際的な視野を持って,保幼小接続期カリキュラム開発に関する教育学的な基礎理論を,いっそう精査していきたい.ただし,2021年度も,我が国においても,また,国際的な規模でも,新型コロナウイルス感染(変異種も含む)の拡大が予想されるため,2021年度も,これまで蓄積してきた国際的な基礎文献と先導的な試行実践記録を,PWDデザインの保幼小接続期カリキュラムのアーカイブとして整序することを重視したい.その上で、2022年以降のデザイン実験研究の理論仮説をさらに精査していきたいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

当該年度初めからの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、参加を予定していた全国学会がオンライン開催となり、当初予定していた旅費の支出が不要となったため、次年度使用額が生じた。この使用額については、翌年度分として請求した助成金と合わせて、当初予定していた通り、旅費として使用する計画である。なお、今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況によって旅費として支出できなくなった場合は、人件費・謝金又は物品費等として支出する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 保幼小連携・接続の担い手(エデュケーター)に求められる専門性:北欧の「ナラティブ・ラーニング」の試み2021

    • 著者名/発表者名
      庄井良信
    • 雑誌名

      全国保育問題研究協議会『季刊保育問題研究』

      巻: 307 ページ: 35-49

  • [雑誌論文] 物語を紡ぐ ナラティブ・カリキュラム2020

    • 著者名/発表者名
      庄井良信
    • 雑誌名

      公益社団法人全国私立保育園連盟『保育通信』

      巻: 783 ページ: 24-27

  • [雑誌論文] ウェルビーイングの哲学と保幼小接続2020

    • 著者名/発表者名
      庄井良信
    • 雑誌名

      公益社団法人全国私立保育園連盟『保育通信』

      巻: 782 ページ: 24-27

  • [雑誌論文] ナラティブ・ラーニングの詩学: 聴き合い、語り合い、祈る思いで希望を紡ぐ2020

    • 著者名/発表者名
      庄井良信
    • 雑誌名

      NPO法人お茶の水児童教育研究会『児童教育』

      巻: 31 ページ: 1-4

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公開日: 2021-12-27  

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