研究課題/領域番号 |
20K02847
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
宮本 直樹 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20736318)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | データ解釈観 / データ解釈能力 / 方略としての知識 |
研究実績の概要 |
本研究は、理科教育において重要な課題であるデータ解釈能力の育成に関するものである。具体的には、データ解釈におけるメタ認知的知識である「方略としての知識」を獲得・理解させ、この「方略としての知識」を適用する授業実践を通してデータ解釈能力の育成を目指す研究である。 令和4年度は、令和3年度に行なった中学校第2学年の生徒を対象にした授業実践から得られたデータを詳細に分析した。その結果、フックの法則導出の授業実践、つまり、「方略についての知識」として獲得する授業実践は、「データ解釈に係るレポートの記述内容」「アンケート調査」「補足的なインタビュー調査」の分析より、データ解釈能力を促進した。そして、オームの法則導出の授業実践、つまり「方略についての知識」として適用するデータ解釈育成のための授業実践も、同様の分析より、データ解釈能力を育成した。つまり、方略の有用性を実感として認知し、さらに、方略の使用の困難性を認知しなかったため、フックの法則の導出の授業実践において、「方略についての知識」として獲得することができ、データ解釈能力が促進、そして、オームの法則の導出の授業実践において、「方略についての知識」として適用することができ、データ解釈能力が育成された。 一方で、課題として、メタ認知的知識である「方略としての知識」である「手続的知識」の理解度まで詳細に検討することができなかった。そこで、令和5年度は、「方略としての知識」である「手続的知識」の理解度に関して、研究調査を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、令和3年度に行なった授業実践から得られた収集データを詳細に分析することができた。その結果、授業実践より、データ解釈能力が育成されたことが確認できた。 一方で、「方略としての知識」である「手続的知識」の理解度を明らかにしなければならないことが判明した。この点に関しては、令和5年度に調査する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に行なった授業実践において、データ解釈能力が育成されたことを検証した。しかしながら、この実践では、「方略としての知識」である「手続的知識」についての理解度の詳細が明らかとなっていない。したがって、理科授業において科学的探究を遂行させ、さらに、データ解釈を指導するに当たり、この点について詳細に検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナのため、旅費の使用分が残額となった。次年度は、対面開催の学会参加旅費に使用する予定である。
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