研究課題/領域番号 |
20K02849
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
水崎 誠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50374749)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幼児 / モチベーション / 表現遊び / 音楽的モチベーション / 指導法 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究2年次として、協力幼稚園での研究をすすめた。研究では、5歳児クラスにおける新曲導入初日の場面を対象として、個別の歌声を検討した。ここでは抽出児A男についての事例検討をおこなった。活動中におけるA男の歌声(録音データ)の変化を確認した。その歌声の変化の背景として、活動の流れにおける「教師による言葉がけ」が主に影響したと考察した。ここでの言葉がけは、幼児の気持ちに寄り添ったものであり、指導的なものではなかった。教師の言葉がけは楽しく歌う雰囲気を作り、幼児の音楽的モチベーションを高めて、それが歌声に影響するとまとめた。この研究結果は、日本教科教育学会第47回全国大会(大阪大会、オンライン)において発表した。質疑応答から、今後の分析の方針など有益な情報を得ることができた。 研究主題に関する先行研究の検討もおこなった。音楽的モチベーションに関する基礎研究は国内外でおこなわれていることを確認した。具体的にはRenwick & McPherson(2000)やO’Neill & McPherson(2002)などの先行研究が挙げられる。しかしながら、これまでの研究対象は主として小学生以上であり、幼児は研究対象になっていなかった。幼児の音楽的モチベーションを高める指導法を検討することは、音楽的モチベーションに関する学術的研究を大きく進展させることにもつながる。また幼稚園等での音楽指導にとって、実践上有益な知見をもたらすと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により,幼稚園等のフィールド調査が十分にできていない。園訪問はできたものの、研究にまでは至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の縮小傾向を考慮に入れつつ、幼稚園等と調整をして新たなデータ収集を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の拡大により、予定していた国際学会へ直接訪問できず、また国内における保育現場の視察も中止となった。これらにより「旅費」の支出がなかった為。 使用計画については、現在でも国際学会参加は難しい状況のため、国内学会を中心とした資料収集・発表に充てる。2022年度に入り、対面による国内学会も可能になっており、そこで旅費として算出する予定である。
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