研究実績の概要 |
本年度は、教育方法の基礎的・理論的研究を中心に行った。特に、価値を扱う教育についての先行研究についての理論的分析を行った。社会科教育における価値教育において,国内外の先行研究の研究論文や実践報告を収集し、学習者である生徒がどのようにしてそれぞれの理論ないしは考えを選択してゆくのかというプロセスと方法論に焦点を当てて、先行研究のサーヴェイを行った。また、従来から価値教育を扱ってきた道徳教育の先行研究においても、同様に資料収集・分析・整理を行った。アメリカでの価値明確化学習の方法と内容についても文献を読了し、整理・検討した。経済学において価値判断や価値規範を扱う研究について、特に行動経済学やゲーム理論の分野の研究についても理論的な検討を行った。 また,先行研究をサーヴェイするなかで,経済学における原理の通説に問題点を指摘し,自然科学の方法論との対比から方法論的および理論的な検証を行った。その検討結果については,以下の以下の論文としてまとめた。内容としては,従来の経済学における方法論を把握し,自然科学の方法論との比較を行い,その共通点と相違点とにおいて把握するとともに,相違点がなぜ生じるのか,そしてまたその結果として,経済学の理論的構築に及ぼす影響についても考察している。柴田透「経済学における原理と理論の関連性について」『新潟大学教育学部研究紀要』2021年1月,第13巻第2号,247-258頁。
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