本研究成果は、大きく2つである。 一つは、中学3年生の証明教材において「場合分けのある証明」の重要性とその授業の構成原理を明らかにした点である。証明をいくつかの定理や性質を組み合わせた陳述と捉えるのではなく,1つの一貫した流れのある陳述として捉え,場合ごとの証明の表記と意味を相互に関わらせていくことによって,証明の仮定を深く理解することができることを明らかにした。もう一つは、一つの定理に対して証明は多様にできることを生かした授業の構成原理を明らかにしたことである。一つの定理の多様な証明を部分と全体の視点で比較しすることよって,証明を介して数学的探究をする授業の原理を導出した。
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