研究課題/領域番号 |
20K02856
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
宮橋 小百合 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80461375)
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研究分担者 |
豊田 充崇 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60346327)
廣瀬 真琴 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70530913)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Instructional Rounds / 授業研究 / 現職教育 / 若手教員の育成支援 / 学校間連携 |
研究実績の概要 |
本研究の目的の1つ目である、「IRの手法を用いて地域内で学校間連携型授業研究を進めることによって,地域内に学校をまたいだメンターシステムが構築できないかを検証すること」に沿って、2020年度は協力校である有田川町の小規模校を含む3つの小学校で、IRの手法を用いて学校間で授業研究を実施した。3校のそれぞれから研究主任や中堅教師を1人ずつ供出してもらい、各校でIRの手法で授業研究に従事してもらった。その際、各学校で実施される授業のうち1つは若手教員のものを提供してもらった。今年は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、授業参観時に教室内に外部者が大勢入ることを避けるため、直接参観はせず、ビデオ撮影した授業の様子を見て記録を取るという手順に変更した。教師の動きと子どもの反応を視聴できるように、提供された2つの授業は、教室の前後からビデオで撮影した。分配器を用いて、モニターには2画面で教室の前後の映像が写せるように努めたが、初の試みだったため機材の調整がうまくいかなかった回もあった。授業分析の結果を授業者に伝えた後、授業者にアンケートを実施した。「課題と思われるパターン」について、「日ごろの授業実践でも感じる課題でしたか?」という問いに、授業者の6名とも「非常に当てはまる」と回答している。今回の調査では、ビデオ視聴による参観になったこと等、前年とは異なる点が多かったため単純に比較はできないが、3校のうち2校の研究主任がIRチームに入ったこと、加えて2校の研究主任が互いの学校に勤務経験があったため、児童の実態について互いに理解があり、ホスト校の研究動向や児童の実態を踏まえた分析をより行うことができたと考える。また、11月に実施したこの3校での授業研究の結果として、授業研究で行き来することを契機に、若手教員を支援する動きが各学校で生じていたことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に計画していた、有田川町内の協力校3校でのIRの手法を用いた授業研究が実施できた他、和歌山市内の2校でも実施することができた。コロナ禍での対応ということもあり、授業参観時に教室内に外部者が大勢入ることを避けるため、直接参観はせず、ビデオ撮影した授業の様子を見て記録を取るという手順に変更した点もあったが、当初の計画通りに進行できている。また、授業研究実施後に、授業研究に参加した各校の中堅・ベテラン教員への聞き取り調査も実施でき、その結果について2021年度の学会で発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の通り、2020年度は計画していたIRの手法を用いた授業研究の実施ができた。また、実施後のインタビュー調査も行っている。その結果について2021年度の学会で発表する予定である。2021年度も同様に授業研究を実施し、調査データを収集できるよう準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍という状況のため、学会発表がオンライン実施となり、また研究協力者との打ち合わせもオンラインで実施することになる等、旅費の執行が予定よりも減っていることが理由として挙げられる。これらの変更については、研究の進捗に大きな影響を与えるものではない。2021年度も同様に、学会等はオンラインになる可能性が高いが、その分、コロナ禍で直接参観できないためにビデオによる参観でデータを収集することになる可能性も高く、2021年度は旅費で使用できなかった予算をビデオ機器やその編集機器等で使用する計画である。
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