研究課題/領域番号 |
20K02859
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
早田 透 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20803646)
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研究分担者 |
溝口 達也 鳥取大学, 地域学部, 教授 (70304194)
松嵜 昭雄 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10533292)
真野 祐輔 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10585433)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 授業研究の条件と制約 / 教授の人間学理論 |
研究実績の概要 |
本年は研究期間の最終年度であるため,4年間の研究成果をまとめることに注力した。前年までの成果をより洗練させることを通し,2本の論文をとりまとめた(1本掲載,1本査読中)。 本研究の計画である「ある国で行われている算数・数学科の授業研究(Lesson Study)の在り方を決定する文化や価値を,国際比較によって明らかにするための研究手法(理論と方法論)を確立する」は,COVID-19による制約から,初期に行った実験を中心に,我が国に焦点を当てる形で分析を進めてきた。その際には,従来「文化・価値」という用語で捉えられてきたことを,条件と制約という形から捉え直すことで,より具体化を行った。 4年間の検討を通して,我が国とタイの特徴や違い,それらを生じさせる各種の条件と制約を明らかにしてきた。例えば,我が国の教師は「準構造化された問題解決学習」と呼ばれる枠組みで,自らの様々な行為を正当化している。それに対して,タイの教師は「オープンエンドアプローチ」と呼ばれる枠組みで,自らの様々な行為を正当化している。それらは,学習指導案のフォーマットという形で,ある種の条件と制約として広範囲に影響を与えていることが示唆された。 これらの成果は,国際学会における査読付きproceedingsを経て,2024年6月に書籍として出版される(in press)。また,この過程で判明した条件と制約について,我が国の教師教育に活用するべき点が明らかになったため,現在論文として投稿し,査読のプロセスに入っている。
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