研究課題/領域番号 |
20K02866
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
荒木 淳子 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (50447455)
|
研究分担者 |
高橋 美保 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (10549281)
佐藤 朝美 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 教授 (70568724)
高橋 薫 創価大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70597195)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | ライフキャリアレジリエンス / 高校生 / ストーリーテリング / ワークショップ |
研究実績の概要 |
本研究は高校生のライフキャリアレジリエンスを高めるためのワークショップを開発し、その効果を測ることである。このため今年度はストーリーテリングを支援原理とするワークショップを開発し、神奈川県の県立高校A校の協力を得て、同校でワークショップを試行実施した。参加者は9名であった。事後に参加した高校生や教員にインタビューを行った結果、高校生にとっては後半のストーリーテリングよりも社会人の先輩のインタビュー記事を対話しながら分析していく過程が進路を探索する上で重要であるとの示唆が得られるなど、プログラムの改善点が明らかになった。 またコロナ感染症の拡大のためワークショップの開発・実施が遅れているため、株式会社インテージに依頼し,2022年11月に大学生1,2年生を対象にWebアンケート調査を行った。学習内容が将来の職業に直結しやすい4年制の医療系(薬学・看護学・リハビリテーション学・社会福祉学なfど)と6年制の医療系(医学・歯学・薬学など)に通う大学生は除いた。アンケートでは全国の大学生に高校時代に経験した探究授業と大学での学び方、ライフキャリアレジリエンスやキャリア探索行動について尋ね、その結果を分析した。分析の結果、SGH(スーパーグローバルハイスクール)やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)等、高校時代に探究型の授業を経験した大学生ほど、有意にキャリア探索を行っていることが示唆された。特にキャリア探索行動の中でも自己探索について、高校時代に探究学習を経験した群と未経験群とで差があり、高校時代の探究学習は主に大学での自己探索に影響を与える可能性が示唆された。分析結果については学術論文にまとめて日本教育工学雑誌に投稿する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症拡大の影響もあり、また協力高校がなかなか見つからず、なかなかワークショップを実施することができなかった。1校の協力を得て試行実践することはできたが、まだワークショップの本実践と効果測定はできていない、このため2023年度も引き続きワークショップを実施して効果測定を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は引き続きワークショップを実施し効果測定を行うとともに、高校時代、大学時代の学びや経験が社会人としてのキャリアとどうつながっているかについてインタビュー調査を行い、その内容を分析し、高校時代に身に着けるべきスキルや行動を明らかにする予定である。ワークショップでは素材として社会人のインタビュー記事を用い、高校生たちにインタビューした社会人がどのように高校、大学での学びや経験を今の仕事に繋げてきたかそのポイントをまとめてもらったが、この分析過程が高校生の進路探索に有効であることが示唆された。そこで今年度は新たにインタビュー調査、分析を実施し、ワークショップのプログラムに反映させる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大の影響もあり、これまでの研究期間に開発したワークショップを実際に高校で実施し、効果測定することができなかった。このため研究期間を延長し、今年度新たにワークショップの実践、効果測定を行う予定である。
|