研究課題/領域番号 |
20K02882
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中西 康雅 三重大学, 教育学部, 准教授 (00378283)
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研究分担者 |
谷田 親彦 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20374811)
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (80314615)
下村 智子 三重大学, 教養教育院, 准教授 (80557984)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 技術教育 / 教師教育 / PBL教育 |
研究実績の概要 |
技術科の教師教育の専門性開発において,教育内容や教育方法に関して,高等教育における工学教育との接続や違いについて検討する必要がある。そこで,今年度は技術教育と高等教育における工学教育の接続について検討するため,工学教育の現状について調査した。ここでは,世界経済協力開発機構(OECD) による高等教育における学修成果調査(AHELO)に工学教育の枠組みや,工学教育の教育体制について文部科学省が公表した『大学における工学系教育の在り方に関する検討委員会(中間まとめ)』等の文献調査をもとに,国内における工学教育の課題は「①工学に関わる知識・能力を統合し,具体的な工学実践の場面で活用できる能力(社会実装)の育成」,「②分野の多様性を理解し,異分野との融合・学際領域の推進も見据えることができる幅広い知識・俯瞰的視野」にあることを示した。 次に,工学実践の場面で活用できる能力を育成するために採用されることの多いプロジェクト型のPBL教育に注目し,技術科の教員養成課程の授業で実践し,その成果と課題についてPBLの実践書籍に公開した。本実践では,オランダのマーストリヒト大学において採用されている「セブン・ジャンプ」と呼ばれる学習プロセスを展開するPBL授業を導入し,実践を行った。1つの科目の中で「セブン・ジャンプ」の学習サイクルを複数回実践し,学生が7-Stepを繰り返し体験することにより,学習スキル(問題の発見,資料や情報の探索,集めた情報の分析,他者との討論など)の向上に寄与することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
技術科の教員養成に関し,理論及び実践的研究を実施することができた一方,今年度も実地調査を実施できず,特に国外での実地調査を実施することができなかったため「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年次に実施できなかった国外調査を実施するとともに,教職や教科教育に関する専門性についても調査する。また,国外での調査も実施し,比較研究を進めることで,教師教育者の専門性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行のため,実地調査のための出張ができなかったため,計画していた旅費に大きな差額が生じた。次年度は,オンラインでの調査を併用しつつ,必要に応じて実地調査を実施する。
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