本研究では、(1)近年の文字教育研究の動向についての調査、(2)文字教育の目的と学習内容の検討、(3)漢字教育およびローマ字教育の現状の課題の導出、(4)国語科教育における日本語表記の学習対象と指導の拠り所の検討、(5)自己学習力を育成するための文字教育モデルを構築するための観点の導出を行った。 これらの検討を通して、文字教育の目的と学習内容に基づいた文字教育の構造と、学習者がどのような学習方略を適用して文字を読み書きする主体になっていくのかという観点(特に、学習の目的と環境、学習者の特性や習得レベルに応じた方略の適用)を軸として文字教育モデルを構築するという方向性を提案した。
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