研究課題/領域番号 |
20K02900
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
今田 匡彦 弘前大学, 教育学部, 教授 (30333701)
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研究分担者 |
塚原 健太 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00782426)
千葉 修平 青森明の星短期大学, 青森明の星短期大学, 講師 (00813429)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サウンドスケープ / サウンド・エデュケーション / ユニヴァーサル・デザイン / インクルージョン / 身体性 / 幼・保・こ・小・中・特別支援の協働 / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究は、幼・保から小・中・特別支援学校までの多様な子どもたちが、本来持っている身体性を基盤に、協働し新たなオンガクを創造することを原理とした音楽教育プログラムの開発を目的とする。これまでの日本の音楽教育は、「西洋音楽」の「演奏技術」を身に着けることを重視してきた。既成の限られた音楽文化(西洋音楽のみならず日本伝統音楽も含む)の音楽的普遍性の析出と継承とを教育原理としたままでは、この規範を脱することは難しい。以上を踏まえ2022年度は、2020年度と2021年度に実施した文献調査並びにアクション・リサーチを基盤として開発された、サウンドスケープとユニヴァーサル・デザインの融合による音楽教育プログラムを弘前大学教育学部附属学校園にて実践、検証した。附属中学校では一回2時間(50分×2)の授業を5回実施するとともに、附属小学校、附属中学校、附属特別支援学校の合同授業をそれぞれの教員の研究協力により実践、検証した。また、青森県八戸市の認定こども園にて同様の音楽教育プログラムを実施し、小・中・特別支援との比較研究を行うと共に、幼・小・中・特別支援を貫く評価方法についても検討した。2020年度、2021年度の研究成果については、the 21st International Seminar of the ISME Commission on Policy: Culture, Media and Education、日本音楽教育学会第53回大会共同企画、The First International Seminar on Soundscape: Connecting Korea and Japan through Acoustic Environment、日本サウンドスケープ協会第1回サウンド・エデュケーション・セミナーにて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19パンデミックのため、当初予定されていた音楽創作教育の英国でのアクション・リサーチによる両者の比較と適合化が実施できなかったが、認定こども園での音楽教育プログラム実施と検証が行われたことにより、幼・保・小・中・特別支援学校を普遍的に貫くサウンドスケープとユニヴァーサル・デザインの融合による音楽教育創作プログラムの構築を概ね達成することが出来た。また、日本音楽教育学会、ISME国際音楽教育学会にて成果を問うことも出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はこれまでの研究成果を踏まえ、保育者養成機関での学生へのインタヴュー調査、弘前大学教育学部附属学校園及び青森県内の認定こども園でのアクション・リサーチの継続、文献調査と授業実践の融合による評価方法の更なる洗練化を目指す。また、Asia Pacific Symposium for Music Education Research、日本音楽教育学会第54回大会共同企画、日本サウンドスケープ協会研究発表会及びサウンド・エデュケーション・セミナー等国内外での研究発表を行うと共に、Routledge、Oxford University Press等国際的に評価の高い出版社からの研究論文出版を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックのため、国際学会での対面による発表や、海外調査が叶わず、次年度使用額が生じた。そのため2023年度は、対面での開催が決定した国際学会(Aisa-Pacific Symposium for Music Education Research 2023)での研究発表((spoken paper)及びInrernational Panel(韓国、台湾、香港の研究者との共同発表))を行うため、また、英国ロンドンのNordof Robbins Centre for Music Therapyとの研究交流を再開するための、渡航費及び学会参加費に助成金を使用予定である。
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