最終年度には、宮城県大崎市立川渡小学校と共同研究を行い、4年生の音楽科及び総合的学習の時間を利用し、①学区内の竹林からの竹の切り出し、②切り出した竹を材料にした竹筒楽器(トガトン)の制作、③自作トガトンによる学習発表会及び地域の文化祭での演奏、④使用済みトガトンを材料とした炭焼き、⑤④で生成した竹炭による「リサイクル竹炭」の制作を行った。この一連の活動により、小学校中学年を対象とした、複数教科にまたがる連関性ある環境教育プログラムのひとつのモデルを提示することができた。この研究成果については、環境教育学会東北地区の研究会にて発表を行った。 研究期間全体を通してみると、初年度及び第2次年度は宮城教育大学附属小学校において1・2年生の生活科、3年生の総合的学習、4年生の音楽科において、それぞれ竹を活用した授業実践を行った。これらの実践はそれぞれに一定の成果を上げることはできたものの、相互の連関性には乏しく、基本的には別々の学年の異なる教科での単発的学習活動であった。しかし最終年度の川渡小学校との共同研究では、前2年度の授業実践の成果をふまえ、同一学年における一連の授業実践を行うことにより、連関性・ストーリー性のある学習プログラムの構築を試み、概ねその目的を達成することができた。 3年間を通した研究成果は、宮城教育大学研究紀要、絵本(自費出版)、オープンアクセスの国際誌といった形で公表した。とくに最終年度にOPEN ACCESS GOVERNMENTに発表した論文は”Bamboo Education”の語で検索してヒットする300万件以上のwebサイトで筆頭にランクされ、国際的にも注目される研究成果となっている。
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