研究課題/領域番号 |
20K02904
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
辻山 洋介 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10637440)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 問題設定 / 議論 / argumentation / 証明活動 / proof / proving / 学習過程 / 数学教育 |
研究実績の概要 |
2020年度は,関連文献の精読,及び研究代表者及び研究協力者のこれまでの研究をもとに,問題設定における証明活動の学習過程を暫定的に立案した。具体的には,「出発点の命題を証明すること」「証明を活用して,出発点の命題の意味を捉えること」「出発点の命題の一部を変えて,問題を設定すること」「設定した問題を出発点の命題と比較しながら,命題の証明を活用して問題を解決すること」「出発点の命題の証明と設定した問題の解決を比較して,命題とその証明の意味を捉えること」からなる学習過程を立案した。 そして,中学校教員を含む研究協力者の助言を得ながら,学習過程を具体化し,大学附属中学校の生徒を対象として予備調査を計画,実施した。予備調査は,中学校数学科においては証明学習の中心である「数と式」と「図形」領域において行った。なお,新型コロナウィルス感染症の影響により実施時期が3月中旬にずれ込んだため,年度内に予定していた結果の分析は2021年度に行う。 また,研究情報収集を行うために参加予定であった複数の国際学会が,新型コロナウィルス感染症の影響により2021年度に延期となった。他方,リモートで開催された複数の研究集会に参加し,研究情報収集と研究成果発表を行うことができた。初年度であるため今後の研究計画の立て直しを比較的行いやすいため,影響が小さくなるよう2021年度以降の計画を調整していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症による予備調査の実施時期の遅れおよび国際学会を含む研究集会における研究情報収集および研究成果発表の縮小については,「研究実績の概要」に記載した通りである。現時点では,いずれについても2021年度以降に挽回できる見込みである。 研究協力者(小中高の教諭)との研究打ち合わせや専門的知識の提供については,オンラインで行う環境を整備し,共通文献を共有する(2020年度の物品費とその他の内訳の増額により対応)ことにより,リモートで実施することができた。また,研究分担者を1名追加することにより,代数及び関数的アプローチによる学習過程の精緻化,中学校「数と式」領域における学習過程の具体化を予定よりも進展することができる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,2020年度に行った予備調査1の分析及びその結果に関連する先行研究の知見をもとに学習過程を改良する。そして,中学校教員を含む研究協力者の助言を得ながら,大学附属中学校での一斉授業を対象として予備調査2を計画,実施,分析する。 2022年度は,予備調査2の分析及びその結果に関連する先行研究の知見をもとに学習過程を改良し確定する。そして,中学校教員の助言を含む研究協力者を得ながら,公立中学校での一斉授業を対象として本調査1を計画,実施,分析する。 2023年度は,小学校教員を含む研究協力者の助言を得ながら,公立小学校での一斉授業を対象として本調査2を計画,実施,分析する。そして,本調査1と2の分析をもとに学習過程の有効性を検証する。 なお,新型コロナウィルス感染症の影響により,予備調査2及び本調査の実施に変更の必要が生じた場合は,各調査を予定年度よりも後に実施したり,記述式の調査問題を用いた量的な分析に変更したりすることで,柔軟に対応する。また,同じ理由により,2020年度に開催予定だった複数の国際学会が2021年度に延期になっている。今後も同様の状況が生じた場合には,学会や研究集会における研究情報の収集及び研究成果発表についても予定年度よりも後に行うことで対応する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究情報収集を行うために参加予定であった複数の国際学会が,新型コロナウィルス感染症の影響により2021年度に延期となったため。
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