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2022 年度 実施状況報告書

数学教育学における研究方法論としての「理論のネットワーク化」に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02913
研究機関広島大学

研究代表者

真野 祐輔  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10585433)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード数学教育学 / 理論のネットワーク化 / 研究方法論
研究実績の概要

本研究全体の目的は,数学教育学における「理論のネットワーク化」という研究者の実践を研究方法論として確立すること,及びその方法論を支えるメタ研究枠組みを構築することである.2022年度は,2021年度に国際学会で発表した内容をベースとして国際ジャーナル論文の作成及び修正に取り組んだ.具体的には,教授人間学理論に基づくプラクセオロジーと「理論の粒度」という視点から,理論のネットワーク化を行う研究者の実践や知識を記述するための枠組みを検討した.プラクセオロジーは研究者の研究活動のモデル化にも援用されているものの,未だに十分に確立していない側面がある.本研究では,それを理論のネットワーク化という研究者の営みに適用し,理論の粒度という視点を加えて,各側面の明確化を試みた.理論の粒度とは,研究者が参照あるいは開発する理論の「大きさ」のことである.どんな粒度の理論を参照するかは研究の目的や対象に依存するが,理論のネットワーク化においては粒度の異なる理論を参照することもしばしば行われる.投稿論文では,こうした理論的考察に基づき,いくつかの研究事例をもとに日本の研究文脈の特徴について考察した.その成果をまとめた投稿論文は査読を経て採択された(2023年5月時点ではジャーナルのWEBサイトに早期公開されている).
こうした研究活動に加え,2022年7月にはスペインで開催された国際会議(第45回数学教育心理学会:PME45)に参加し,教師教育の研究領域における多様な理論的アプローチに関するフォーラムに参加した.
また,2022年度は,2021年度にオンラインで開催された国際学会(第14回数学教育世界会議)の「理論の多様性」分科会のオーガナイザーと協力しながら,分科会の成果の一部を国際ジャーナルの特集号として公開するための編集作業にも取り組んだ.上述した投稿論文も本特集号に掲載される予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度内に発表・公開された実績は少ないが,本研究の目的として掲げていたメタ研究枠組みに関する研究成果を論文としてまとめることができたことから,「おおむね順調に進展している」と判断できる.

今後の研究の推進方策

これまでの研究活動の中で意識された理論のネットワーク化に及ぼす文化的要因について,特に西洋由来の理論のネットワーク化を行うとき日本(あるいは東アジア)の実践や研究の文脈がいかなる影響を及ぼすかを考慮に入れて引き続き研究を進める.こうしたアイデアを国内学会や国際会議等で発表し,国内外の研究者との議論を深めたいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

コロナ渦の影響により,特に2022年度前半に予定していた外国出張の一部が実施できなかったことが主な理由である. 2023年度は研究成果の発信や研究課題に関する議論を深めるため,国内外の出張旅費等として支出することを予定している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Exeter(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Exeter
  • [学会発表] Identifying the logos block that composes para-didactic praxeology in mathematics lesson design: Case studies from pre-service teachers in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Toru Hayata, Yusuke Shinno, Akio Matsuzaki, Tatsuya Mizoguchi
    • 学会等名
      7th International Conference on the Anthropological Theory of the Didactic
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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