研究課題/領域番号 |
20K02916
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)
|
研究分担者 |
劉 卿美 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (00346941)
宮本 友弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (90280552)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 手書き / LearningLogAcquisionTool / 筆記停止時間 / 理解と書字との関係 |
研究実績の概要 |
研究計画調書提出時点(2019年11月)では計画していた海外調査については、コロナウイルス感染防止の観点から研究期間最終年度後期(2022年12月)に断念をした。その代わりに、書字基礎データ採取にカスタマイズしたアプリケーションを開発することとした。それが、LearningLogAcquisionTool(以下、LLAT)である。 LLATは、当課題の推進当初から使用していた市販のBambooSlate(以下、BS)を使用することを前提として開発したものであり、BS上で専用ぺんによって筆記状況を下記9点に関して表現する機能を備えている。(1)一連の筆記軌跡を再生(順・逆)する。(2)一連の筆記の開始時刻を自動的に表示する。(3)一連の筆記の終了時刻を自動的に表示する。(4)前項(2)開始時刻から前項(3)終了時刻までの所要時間を自動的に表示する。(5)一連の筆記軌跡における、平均速度を自動的に表示する。(6)停止時間の定義を任意に設定すると、長停止(赤○)及び短停止(黄○)の2種の停止地点を表示する。(7)長停止回数と短停止回数の合計を自動的に表示する。(8)一連の筆記軌跡における停止時間の合計を自動的に表示する。(9)一連の筆記軌跡における筆圧傾向を表示する。 本課題では、以上9点の機能を使って、理解と書字との関係を解析し解釈していく準備を整えることができた。ただし、日常的にBSとLLATを身軽に使用していくには、さらなる改良が必要である。しかしながら、本科研計画調書提出時点を基準にするなら、書字基礎データを身近な観点で数値化することに成功したといえよう。今後は、その数値がどのような意味を持っているのかを解釈、考察していくことが残されている。特に、個人の発達段階に即した書字基礎データの変容を観察していく必要がある。
|