研究課題/領域番号 |
20K02921
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
時津 啓 島根県立大学, 人間文化学部, 教授 (20518005)
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研究分担者 |
砂川 誠司 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (20647052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | メディア教育 / SNS時代 / 総合的な学習の時間 |
研究実績の概要 |
本年度は主に理論検討、並びに授業実践を行う上での概念の検討を中心に行った。本研究の協力者でもあるイギリスのメディア教育学者バッキンガムの最新の著作『メディア教育宣言』を研究分担者の砂川と翻訳した。それと合わせて、わが国におけるインターネットを介した高校、すなわちN高校の教育実践を市場化、メディア化という視点から分析した。研究分担者には授業開発に向けた準備を進めてもらい、研究代表者が構想・精緻化した諸概念の具体化の作業を研究協力者と共に実施してもらった。 さらに、総合的な学習の時間の授業において鍵となる諸概念、カリキュラム・マネジメント、主体的・対話的で深い学びについて、検討し、授業開発のための土台作りに尽力した。本研究はSNS時代に適応可能なら諸概念に基づき、総合的な学習の時間の授業開発と検証を行っている。本年度で、その前半部分をほぼ終えたことになる。残りは後半部分の授業開発とその検証が課題となる。 研究分担者、研究協力者とは年6回、オンラインで会合を持った。主に概念検討が中心であったが、授業開発と授業実践に向けた視座は共有することができた。また、バッキンガムとは定期的に連絡を取り合い、SNS時代のメディア教育に必要と思われる諸概念について、意見交換を行っている。またバッキンガムの紹介で、同じくイギリスのメディア教育学者であるジョン・ポーターとも意見交換を行い、SNS時代に必要不可欠な諸概念の精緻化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響もあり、イギリスへの訪問はかなわず、研究協力者の勤務する小学校でのトライアル実践もかなっていない。ただし、その分、概念の整理と文献調査を集中的に行った。当初の計画では3年目までかかる予定だった概念整理と概念の生成を前倒して実施したため、トータルで考えると、「おおむね順調に進展している」と言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの問題は残り続けると想定し、渡英に頼ることなく、オンラインを積極的に活用する形で研究を進めていきたい。また研究協力者の協力の下で、授業開発と授業実施を急ピッチで進めていきたい。ただし、この場合も訪問制限等は十分に考えられるため、オンラインの活用、ビデオ機器などによる録画を積極的に進め、授業実施後の検証に重きを置きかたちで研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で旅費、人件費を使用しなかったから。その分、計画では同時進行で進めようとしていた文献調査や概念整理をほぼ終えたため、物品費用は計画よりも多めとなっている。 次年度は授業開発と授業検証を実施する計画のため、コロナの状況にもよるが、できるだけ旅費等を使用し、会合を持つ予定である。しかしながら、それが難しい場合は情報機器、映像機器等を整備し、できるだけ会合の質が落ちることがないように工夫する計画である。そのため、その整備のため計画通りの請求を行った。
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