小学校の理科では、エネルギー概念を用語“エネルギー”を用いずに周辺概念から理解させるという方策をとってきたが、それ以外の教科ではこの用語を度々用いており、ねじれの現象を明らかにした。また、発電に関する実験活動での小学生の発話を分析すると、児童はこの用語を用いないか、または、誤って使用していた。また、さらに、米国だけでなく英国の初等教育段階の理科教科書では、主に食物や人体を主とした同概念の導入を図っていた。小学生段階で正しくエネルギー概念を理解させることは重要であるので、本研究で得た知見は、今後の日本の小学校での理科教育におけるエネルギー概念の導入についての議論に対し大きく貢献するものである。
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