研究課題/領域番号 |
20K02927
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
杉野 裕子 皇學館大学, 教育学部, 教授 (10556640)
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研究分担者 |
飯島 康之 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30202815)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プログラミング / LOGO / 角度 / 回転量 / 教材開発 / 図形概念 |
研究実績の概要 |
回転量と角概念を形成するためのプログラミング用教材を開発し、小学校第4学年「角度」単元の導入において授業実践検証を行った。 教材コンテンツの開発に先立って、概念形成の困難性に関して(1)回転量の認知(2)向きの変化としての角度(3)角の大きさの保存性(4)左回転と右回転(5)見かけの剰余系 に分けて示した。また、児童生徒の困難点について先行研究から明らかにするとともに、現行の算数の教科書での扱いについて、比較検討を行った。角度の認知は、大人にとっても容易ではなく、生活場面で数値化される機会もまれであるにもかかわらず、第4学年で初めて学習し、一気に分度器を用いた測定を行ったり角の作図をしたりする、荒っぽい扱いとなっており、概念理解の困難性の原因となっている。ここにプログラミングを活用すると、角度の数値を入力して角を描く経験ができるため、角度の数値(言語)と図形として描かれた角(イメージ)とのつながりをもちながら、概念発達が促されることが期待される。 これらを受けて開発した教材は、「2画面角描画コンテンツ」、「360°角描画コンテンツ」、「分度器へつなぐためのコンテンツ」である。タブレット上に配置された、算数用語や回転数値を決めるボタンを押しながら角を描画し、さらに、いろいろな大きさの角度で描いた角の比較検討を行うことができる。 授業実践検証では児童が様々な角を描き、それに関する発話によって、概念を形成していく活動が見出された。しかしながら、検証が1学級しかできなかったため、翌年度以降に再検証を行ったうえで、詳細な分析をすることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研費研究1年目が、コロナ禍中のため、小学校の授業としての実践研究が行えなかった。2年目は、1校で実践が叶ったが、追実践は次年度以降となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の所属を埼玉県川口市の大学に異動した。現任大学は川口市立小学校と教育実習生や教育インターンシップの受け入れ提携をしており、今後教職関係の授業として単位化をいっそう進めていくところである。そこで、川口市立小学校において、第4学年「角度」単元の導入の授業の再検証を行い、児童がプログラミングした結果や発話プロトコルについて分析を行い、概念形成の過程を明らかにしていく。また、教材コンテンツや授業構成について、改良を視野に入れた開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、予定していた小学校での授業実践が叶わず、計画が1年ほど延期された。使用計画も1年延期されて、次年度使用となった。
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