研究課題/領域番号 |
20K02930
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹下 哲義 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 客員研究員 (90259846)
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研究分担者 |
奥田 浩司 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90185538)
川除 佳和 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (90552547)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障害 / 国語教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、タブレット端末を活用することにより、視覚障害者の国語教育を支援することにある。タブレット端末の機能を活かすことで、遠隔で同時双方型の授業が可能となる。この点に着目して、愛知教育大学国語教育講座の近現代文学研究室と盲学校の教室を結び、学生が視覚障害者に授業を行うことを想定して、本研究に取り組み始めた。このような授業実践の意義は、第一に教育大学で学ぶ学生が視覚障害者に授業を行う経験を得る点にある。第二には、タブレット端末を用いた遠隔授業の可能性について考察を深める点にある。視覚障害者がタブレット端末を利用する最大の利点として、マルチメディアを手軽に利用して障害を克服できる可能性を挙げることができる。 今年度は遠隔授業システムの開発に特に注力した。タブレット端末を利用したグループビデオ通話時に空間オーディオ機能を付加して、これまで以上に視覚障害をサポートできる結果を得ている。この結果を元にした視覚障害がある生徒のための同時双方向型授業システムを構築している。 視覚障害者を対象にした研究授業実施の前段階として、タブレット端末を活用した遠隔での国語の授業を実施するために行った議論と、実際に作成した学習指導案についてはすでに論文報告を行った。特に授業を行う際、学習者に対してどのように配慮すべきかを詳しく検討した。学習活動を進める上で利用するタブレット端末は、具体的に、詩の朗読、音楽鑑賞、学習者の活動中の回答などで使用する。これらの使用は、学習者の負担が軽減されるよう、工夫を施した。 今後、これらを基礎として愛知教育大学国語教育講座の近現代文学研究室と盲学校をネットワークで結ぶ教育が可能となり、新たな学習場面を両校の生徒たちが体験し、遠隔協働学習に取り組む場を提供することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、石川工業高等専門学校、愛知教育大学、視覚障害者特別支援の3つの教育機関が協力して進めるものである。新型コロナウイルス感染拡大防止対策としての移動制限により、当初の研究計画で予定していた研究授業の実施や研究授業のための機器の設置や取扱いの説明などを見送っている。そのため、全体計画に大幅な遅れが出ている。それぞれの教育機関で進めることができる研究授業の計画策定や遠隔授業システムの開発は予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画で遅れている研究授業のための機器の設置や取扱いの説明などは、新型コロナウイルス感染症への対策を十分に考え、機器設置以外は遠隔での打合せを中心にして進め始めている。予定通り進んでいる研究授業の計画策定や遠隔授業のシステム開発をもとに、遅れを取り戻していく。盲学校をネットワークで結ぶ教育を実践し、新たな学習場面を両校の生徒たちが体験し、遠隔協働学習に取り組む場を提供して行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画の予定より遅れている研究授業のための機器の設置に関わる物品の購入におくれが生じている。今後、研究授業の実施とともに使用予定である。
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