研究課題/領域番号 |
20K02934
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
二宮 祐 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (20511968)
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研究分担者 |
小山 治 京都産業大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50621562)
児島 功和 山梨学院大学, 学習・教育開発センター, 准教授 (80574409)
松本 亮 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (30745857)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 実務家教員 / 研究者教員 / アカデミズム教員 / 専門職大学院 / 高等教育の修学支援新制度 |
研究実績の概要 |
最終年度は質問紙調査(ウェブ調査)の分析と、それに基づく論文の執筆を行った。大学教育に関する意識などについて、アカデミズム教員と実務家教員との差異はあまり大きくはなく、むしろ学問分野間の差の方が顕著であることが明らかになった。この理由は、まず、一般に想定されるような、研究経験をまったくもたない実務家教員が回答者が少なかったためである。博士号の取得者や、現在でも研究を行っている者の割合が高く、アカデミズム教員と同等の研究キャリアをもっているのである。次に、入職後に実務家教員とアカデミズム教員の間で明確な分業が行われているわけではないためである。実務家教員だからといって実務に関係する教育の仕事ばかりを要求されるわけではない。入職後の人事全般に関する制度や慣行が実務家教員とアカデミズム教員とで区分されていないことが、現在の仕事に関する意識の違いの少なさに影響を及ぼしている。 研究期間全体を通じて明らかにしたことは次の3点である。第1に、「実務家教員」の来歴の類型を示したことである。2003年度に発足した専門職大学院政策、2017年閣議決定「新しい経済政策パッケージ」に基づき進められた「高等教育の負担軽減に関する制度」に関連する実務経験をもつ教員による授業科目の配置などの政策と、旧制帝国大学の「お雇い外国人」教員以降の学問分野それぞれ固有の事情による実務経験者の採用慣行である。第2に、聞き取り調査を実施して、そのデータを教育社会学における知識伝達の特徴に関する理論を用いて分析した。第3に、上記の質問紙調査の実施と分析である。以上が大学教育を担う実務家教員を対象とした基礎的研究の成果である。
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