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2022 年度 実施状況報告書

ユニバーサル化時代における学士課程教育の質保証のあり方に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02940
研究機関神戸大学

研究代表者

葛城 浩一  神戸大学, 大学教育推進機構, 准教授 (40423363)

研究分担者 宇田 響  くらしき作陽大学, 子ども教育学部, 助教 (30903190)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードボーダーフリー大学 / 教育の質保証 / 教育と研究
研究実績の概要

本研究は、ユニバーサル化時代の象徴ともいえる入試難易度の低い大学、特に「ボーダーフリー大学」における学士課程教育の質保証のあり方というテーマに、「大学」の主要な社会的機能である「研究」に焦点を当てることでアプローチするものである。すなわち、これまでの研究では十分に検討の及ばなかった、「ボーダーフリー大学における「研究」は教育の質保証にどのような影響を与えるのか」という問いこそが、本研究課題の核心をなす学術的「問い」である。具体的には、ボーダーフリー大学において「研究」がどのように捉えられており、それが教育の質保証にどのような影響を与えるのかを、組織、教員、学生という 3つの視角から多角的に明らかにする。
令和4年度に中心的に取り組んだのは、公募情報等を用いた分析と、学生に対するインタビュー調査の分析である。前者については、公募において求められる研究能力の条件等が、大学設置者間、国立大学間、私立大学間でどのように異なるのか、「研究能力の評価の壁は、研究に対する社会的期待が(教育に対する社会的期待よりも)大きな大学で高くなる」という仮説に基づき検討を行った。その結果、仮説を支持する結果は、大学設置者間と私立大学間では研究分野・職位を問わず概ね得られたのに対し、国立大学間では自然科学系と医歯薬学系では職位を問わず概ね得られなかった。また、後者については、学生が持つ「研究」に対するイメージと、「学術研究」の必要性に対する認識、といった観点から検討を行った。その結果、ボーダーフリー大学生の中には、「研究」を「学術研究」のような意味合いで捉えることのできない者が、特に学習面での問題を抱えている学生を中心に多く存在する可能性や、個々の学生が学習面での問題をどの程度抱えているかによって、当該大学の教員に「学術研究」が必要だと考えるかどうかの認識が大きく異なる可能性を示唆する結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度に中心的に取り組む予定だったのは、公募情報等を用いた分析と学生を対象としたインタビュー調査を用いた分析であり、どちらも成果としてまとめることができたため。

今後の研究の推進方策

令和5年度に中心的に取り組むのは、組織の視角からの検討と学生の視角からの検討のまとめである。公募情報等を用いた分析をさらに変数を追加して行うとともに、学生を対象としたインタビュー調査に加え、令和4年度末にアンケート調査も行ったため、それらの分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

公募情報等に基づくデータベースの作成に、想定していた以上の経費がかかってしまった関係で、当初の計画で予定していた教員対象のアンケート調査を断念したため。なお、次年度使用が生じた分は、当該データベースに変数を追加するために利用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 大学教員としてのキャリアパスに立ちはだかる壁-大学の多様性に着目した分析2023

    • 著者名/発表者名
      葛城浩一
    • 雑誌名

      『大学教育研究』(神戸大学大学教育推進機構)

      巻: 31 ページ: 69-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ボーダーフリー大学における「教育」と「研究」の両立-学生の視角からのアプローチ2023

    • 著者名/発表者名
      葛城浩一
    • 雑誌名

      『兵庫高等教育研究』

      巻: 7 ページ: 61-71

  • [雑誌論文] 「学術研究」の「教育」への還元がなぜ困難なのか-教員へのインタビュー調査による試行的検討2023

    • 著者名/発表者名
      宇田響・葛城浩一
    • 雑誌名

      『兵庫高等教育研究』

      巻: 7 ページ: 135-148

  • [学会発表] 大学教員としてのキャリアパスに立ちはだかる壁-JREC-IN Portal掲載の公募情報を用いた分析2022

    • 著者名/発表者名
      葛城浩一
    • 学会等名
      高等教育学会
  • [学会発表] 大学教員としてのキャリアパスに立ちはだかる壁-大学の多様性に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      葛城浩一
    • 学会等名
      高等教育学会(研究交流集会)

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公開日: 2023-12-25  

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