研究課題/領域番号 |
20K02943
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
澤田 忠幸 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (50300447)
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研究分担者 |
垣花 渉 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (60298180)
石川 倫子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80539172)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 汎用的技能(ジェネリックスキル) / IR / 初年次教育 / 直接評価と間接評価 |
研究実績の概要 |
本研究は、カレッジインパクト研究や自己調整学習理論の知見を基に、大学3年時における学生の汎用的技能(ジェネリックスキル)習得における個人差や1年時から3年次にかけての伸長度を規定する要因について、入学時の学習背景や個人の心理特性の影響(Inputs)を考慮した上で、入学後の学習経験(Environments)の影響を、学修成果(Outcomes)との関連を通して分析することである。 具体的には、①1年次および就職活動前(3年次)における汎用的技能の現状を、標準テストを用いて客観的に把握する。②学生の入学時の個人特性や属性、入学後のキャリア意識のあり方(変化)や学習者間の相互作用を通じた学習経験が、汎用的技能のどのような側面の習得度(個人差)や学士課程教育を通じた伸長度に、どのように寄与するのかについて検討することを目的としている。 2020年度は、①について、1年生と3年生を対象に、前期終了時にPROG調査をおこなった。本年度は、研究計画の初年度として、1年生と3年生のデータを用いて横断的分析を行うとともに、本研究の実施に先立ち、2017年度・2018年度に1年生を対象として試行的に実施したデータを用いて、入学年度による変化の有無等についても検討を行った。②学生調査については、入学時調査として、中学・高校時の活動経験、学習動機づけ(e.g. 達成目標)および協同作業についての認識等について調査をおこなった。また、1年前期終了時にはキャリア意識、適応感、自己調整学習方略、学習動機について調査をおこなった。特に、2020年度はコロナ禍の状況を踏まえ、学生のメンタルヘルス要因および学習動機とPROGで測定されたリテラシーおよびコンピテンシーとの関連について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
汎用的技能(ジェネリックスキル)の習得度を測定するPROG調査については、実施方法をオンライン受験とすることで、コロナ禍においても1年生・3年生ともに予定通り実施することができた。一方、学生調査については、1年生は新入生オリエンテーション時や初年次教育科目の授業等の時間を利用して、オンライン調査に変更することで、2020年度に予定していた調査は概ね実施することができた。しかし、3年次調査については、予定していた新年度やPROG実施時の学生調査を実施することができなかった。また、コロナ禍での新入生対応の経験を踏まえ、当初は予定していなかった学生のメンタルヘルス面と汎用的技能の習得度との関連を検討することができた反面、キャンパスライフを経験している3年生と1年生で、汎用的技能の習得度と関連する要因に違いが見られるのか否かまでは検討することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
①2021年度は、2019年度に試行実施した学生が3年生となり、本研究プロジェクトでの第1コホートとしてのパネルデータが揃うことになる。2020年度データとともに横断的傾向について検証するとともに、パネルデータを用いて縦断的分析を行う予定である。②学生調査についても、尺度の妥当性・信頼性の検討を行いながら、4月(1年生は入学時、3年生は新年度時)と前期終了時(9月)に学生調査を実施する。PROG調査結果の横断的、年次を超えた学年傾向、コホートによる成長度と学生調査に示される変化や入学時の特性との関係について、効果的な分析方法も含めて検討する。そのうえで、IRの観点から,これらのデータ分析を基に、今後に向けた初年次教育プログラムの再検討をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
通常であれば対面でPROG調査を実施する予定であったが,コロナ禍によりオンラインでの実施に変更となり、学生向けに実施している結果解説会の実施等も全てオンラインとなった。そのため、当初予定していたよりも受験と結果の返却に郵送費が発生したこと、その反面、紙媒体での質問紙調査票の作成や研究データの入力作業の必要性がなくなったことがあげられる。また、次年度も学会等はオンラインでの開催が予想されることや調査をオンラインで実施する可能性が高いことから、2021年度はPROGの受験費用を中心に、コロナ禍の状況に応じて経費の執行計画を一部見直す予定である。
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