研究課題/領域番号 |
20K02948
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
小島 佐恵子 玉川大学, 学術研究所, 教授 (40434196)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アメリカ / 大学 / 専門職員 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年大学で増えている「第三領域」の専門職(以下、 新興専門職)のキャリア・パスを探ることである。その際に教員や伝統的な専門職との働き方の違いや関係性についても比較検討することを視野に入れている。 今年度は、アメリカの大学における教員と専門職員の関係について、専門職員が教員からどのように認識されてるのかに着目し、アメリカ教育学会第35回大会にて発表をした。また、イギリスの例ではあるが、大学における新しい専門職のアイデンティティの模索の例を、学術研究所紀要第29号に資料としてまとめた。学会発表や資料をまとめるなかで、教員と専門職員の関係性は、部署また個人によってかなり異なることが予想された。また、論文や書籍上は伝統的な専門職も働き方の変化によっては新興専門職として認識され、これまでとは異なる役割を担っていくことが示唆されていた。こうした知見をふまえて訪問調査を計画し、最終的に中西部の3つのリベラルアーツ・カレッジで調査を行うことができた。今年度は学生支援および学生登録に関する専門職という比較的伝統的な専門職の方に働き方やキャリアパス、個人の認識(アイデンティティ)にかかわる部分について尋ねた。論文や書籍上で指摘されていた働き方の変化(新興専門職としてこれまでとは異なる働き方を求められる)というようなことは今回の事例では起きていなかった。新興専門職という枠組みではくくれないが、教学にかかわる分野と学生にかかわる分野での専門職員の認識の違いをある程度明確に見ることができたのではないかと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
産休・育休を経て、徐々に活動が再開できるようになったことと、コロナの影響も低下し、実地調査を行うことができたため。今年度は中西部(インディアナ州・オハイオ州)の3つのリベラル・アーツカレッジにおいて、専門職の働き方やキャリアパスについて調査を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍ではWeb調査を計画していたが、訪問調査も可能になってきたため、受け入れ先の許可が得られれば、引き続き訪問調査を計画する。前回の事例調査のまとめをしながら、次は別の専門職のキャリアパスや働き方、教員との関係性について、より詳細な情報を集める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
産休・育休で1年以上研究を中断しており、計画が大幅に遅れていたため、年度の使用額に大きな変更が生じている。しかし、訪問調査の受け入れ先が少しずつ見つかりつつあるので、訪問調査を引き続き行い、専門職へのインタビューを継続する予定である。
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