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2021 年度 実施状況報告書

緊縮財政下の英国における低所得層への高等教育進学支援:大学のアウトリーチを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20K02959
研究機関独立行政法人大学入試センター

研究代表者

山村 滋  独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 名誉教授 (30212294)

研究分担者 佐藤 智美  東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (80240076)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード高等教育進学支援 / 教育の機会均等 / アウトリーチプログラム / 社会経済的弱者 / 英国
研究実績の概要

本年度は、以下のような分析を行った。
1.イングランドにおける高等教育進学格差についての主として「POLAR4データ(地域ごとの高等教育進学者の割合データ)」による分析:まず、進学率の地域的格差を分析した。2009年~2018年の10年間においても、確かに進学率は上昇した。しかしながら、地域的な進学格差はこの10年間にほとんど解消されていない。とりわけ選抜性の高い高等教育機関に関しては、むしろ格差の拡大さえ認められた。つぎに、大学進学者層に焦点を当て、ジニ係数、G指数、D指数を用いて分析を行った。一言でいえば、イングランド全体として2015年~2019年の5年間において大学間の格差はほとんど解消されていない。以上のように、マクロに見れば進学の地域間格差は依然として存在している。政府は、2038-39年度までに地域間格差の解消、すなわちPOLAR4のQ1対Q5の比率を1対1とすることを掲げているが、その道のりは相当厳しいように思える。
2.アウトリーチプログラムの事例分析:政府主導のアウトリーチプログラムであるユニコネクト(Uni Connect)に参加しているパートナー団体のひとつのAimhigher West MidlandsによるAimhigher Plusの活動を検討した。Aimhigher Plusには、バーミンガム大学やアストン大学など6つの大学が参加しており、West Midlandsの高等教育進学率が低い地域の生徒(第9学年~第13学年)に、大学進学意欲や学力の向上のための活動を行っている。その活動とは、サマースクール、メンタリング、大学訪問、体験授業や情報提供・アドバイス・ガイダンスなどである。その効果は、プログラム参加頻度と高等教育合格率の関係によればプログラム参加者の方がより高等教育に進学する傾向があり、大学進学機会の拡大に効果があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度も、コロナ禍が収まらず、英国への訪問調査が実施できなかったため。

今後の研究の推進方策

英国では、最近、コロナ規制が解除された。したがって来年度は訪問調査が実施できるのではないかと思われる。しかしながら感染者数は依然として多いし、新たな変異株による不測の事態も想定される。したがって、インターネット等を利用して、研究課題の解明に迫ることも並行して検討する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で英国への訪問調査が実施できなかったため旅費として予定した分が次年度使用額となった。この額は、来年度の訪問調査費用に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] イギリスにおける高等教育進学格差-大学進学データの分析-2021

    • 著者名/発表者名
      山村滋
    • 雑誌名

      研究開発部リサーチノート

      巻: RN-21-05 ページ: 1, 21

  • [学会発表] 高等教育進学データから見た格差問題と社会的公正2021

    • 著者名/発表者名
      山村滋
    • 学会等名
      日英教育学会

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公開日: 2022-12-28  

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