研究課題/領域番号 |
20K02959
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
山村 滋 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 名誉教授 (30212294)
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研究分担者 |
佐藤 智美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (80240076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高等教育進学支援 / 教育の機会均等 / アウトリーチプログラム / 社会経済的弱者 / 英国 |
研究実績の概要 |
本年度は以下のような研究を行った。 1997年に公表され、その後の20年間の包括的な学習社会のビジョンを示したいわゆる「デアリング報告」の勧告のひとつは、高等教育機関が「進学機会の拡大」に貢献することであった。そこで1997年以降の高等教育進学支援政策の展開と大学の対応を分析した。この政策への各大学の応答は、大別して①財政面、②アウトリーチ活動がある。 ①に関しては、大学独自の給付金・奨学金がある。給付金・奨学金の提供自体は望ましいが、威信の高い大学への低所得層の出身者は相対的に威信の高くない大学に比べて少ないことから、学生が受け取る財政援助の額はどこで学ぶかによって異なり、経済的必要性に基づいているとは必ずしもいえないという問題点が指摘できる。 ②は、公正機会局とその後継の学生局の主導の下に進められた。各大学は「高等教育進学機会・参加計画」を作成し、高等教育機会の拡大を進めなければならないとされている。例えば、ラッセルグループの一員であり、人口比において比率の少ない人々に対して、早くから高等教育進学機会を保障することに取り組んできた大学のひとつであるバーミンガム大学では、「バーミンガム大学への道(P2B)」というプログラムを実施している。このプログラムの参加資格は、バーミンガム大学が認めたP2Bのパートナースクールに在籍し、社会的養護もしくは高等教育進学率が低い地域や家庭の収入が一定額以下などの条件に当てはまる第12学年・13学年の生徒である。同プログラムはウェスト・ミッドランズ地域居住者向けの「専門職への道」「バーミンガム大学への進学」など5つのプログラム、およびウェスト・ミッドランズ以外に住む者を対象とした「サマースクール」から構成されている。参加者は、たとえば「医学に関する専門職への道」の場合、32%が医学を学ぶ道に進む(2018年)などの結果が出ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため、英国での現地調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
英国ではコロナ規制が解除された。また、日本でも新型コロナウイルスは2023年5月に5類へ移行される。したがって、2023年度には、英国への調査を実施し、感染防止には十分注意を払いながらインターネット等では把握できない情報を収集し、研究課題を解明したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で英国への訪問調査のために計上した費用が、次年度使用額となった。この額は、来年度の訪問調査のための費用とする。
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