研究課題/領域番号 |
20K02959
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
山村 滋 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 名誉教授 (30212294)
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研究分担者 |
佐藤 智美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 特任教授 (80240076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高等教育進学支援 / 教育の機会均等 / 社会経済的弱者 / アウトリーチプログラム / 英国 |
研究実績の概要 |
本年度はこれまでコロナ禍により断念せざるをえなかった訪問調査を、社会経済的弱者のための高等教育進学支援を行っている2団体1大学に対して実施した。 ①LEAPS(Lothians Equal Access Programme for Schools)はスコットランド南東部の大学との協働の下、中等学校第3~6学年を対象とした高等教育進学のための個別相談等を実施している。注目すべきものとして、大学1年生レベルのアカデミックスキルを身につけるための「移行コース」がある。なお、個別相談に参加した生徒の86%が高等教育に進学した(2021年)などの成果をLEAPSは挙げている。 ②QMU(Queen Margaret University)では中等学校や継続教育カレッジ在籍者を対象としてスタディスキルの獲得やキャンパス訪問などの大学独自の活動とともに、LEAPSとの協働によるアウトリーチ活動を行っている。特筆すべきものとして、地方当局等との協働の下に導入した、QMUの学生などをチューターとする学力向上のための支援(ELTI: East Lothian Tutoring Initiative)がある。 ③AHWM(Aimhigher West Midlands)は大学などのパートナーと連携してアウトリーチ活動を行うバーミンガムに本拠を置く団体である。AHWMはパートナーの大学と協働して、高等教育進学のための「共通的・一般的」プログラム(たとえば16歳以降の進路選択)、内容的に「特化」したもの(例えば建築を実際に経験する)、学力向上を目指すもの、を提供している。例えば「マイチューター」という大学生による個別の学力向上プログラムでは、GCSEの成績に関して、10-12セッションを受講した者では模擬試験の成績よりも実際の成績は1グレード向上した(2019年)などの成果を上げている。
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備考 |
山村滋・佐藤智美(2023)「バーミンガム大学の高等教育進学機会格差是正をめざすアウトリーチプログラム」研究開発部『リサーチノート』RNote2023-02。
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