研究課題/領域番号 |
20K02968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤村 正司 広島大学, 高等教育研究開発センター, 名誉教授 (40181391)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国立大学法人化 / 研究生産性 / ニュー・パブリック・マネジメントPM |
研究成果の概要 |
2004年の法人化後、運営費交付金の定率削減と外部資金依存への資源配分の変化が国立大学の経営行動は、歴史的に培われてきた大学の構造的イナーシアを浮き彫りにした。運営費交付金減による人件費抑制を外部資金等で十分にカバーできる大学とそうではない大学との間の格差問題である。だが,政府はその格差問題を問わないで,大学間競争を組織化した。90年代以後のNPMや新自由主義的高等教育政策の影響を色濃く受けた法人制モデルの特徴を示したものである。こうして科研費以外に外部資金獲得が期待できない地方国立大学にとって運営費交付金の定率削減は、教員人件費の削減で対応する縮小均衡的経営を選択せざるを得なかった。
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自由記述の分野 |
教育社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
90年代以降の日本経済を直撃した低成長,低インフレ,低金利,そして低賃金の影響を受けて,財務省は国民の負担軽減のために国立大学法人の運営費交付金に厳しい目を向け始めた。法人化後の経常経費の変化は、教員人件費の削減であった。外部資金は増えたが,否応なしに教育研究業務の負荷と歪みをもたらした。 加えて,運営費交付金の一部管理費化が国立大学の基礎体力を奪っている。そうだとすれば,国立大学の経営行動を観察することに留まらず,未だ財政自主権を持たないわが国の国立大学の現状を鑑みて,財政制度や評価制度の改正など制度の運用や小手先の改革ではなく,法人制度の抜本的あり方を問い直す時期になっている。
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