研究課題/領域番号 |
20K02998
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
藤田 絵理子 和歌山大学, 教育学部, 特任助教 (60836849)
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研究分担者 |
武田 鉄郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50280574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | SOS発信教育 / メンタルヘルス / 中学生自死 / 予防教育 / 地域連携システム |
研究実績の概要 |
令和元年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると児童生徒の自殺者は317名であり、令和2年度には、コロナ禍による社会変化の影響も重なり増加傾向にあるため、喫緊に取り組むべき課題となっている。 そこで既存の中学生対象自死予防プログラムについて文献調査研究を行い、オリジナル予防教育プログラム(SOS発信プロジェクト-和歌山モデル)の開発、和歌山大学教育学部附属中学校でワークショップを実践した。文献調査から、学校における自殺予防プログラムの実施率は1.8%以下(2017)であり、今後「SOSの出し方に関する教育」の整備が急がれることが明らかになった。 オリジナルSOS発信プロジェクト-和歌山モデルでは、思春期の自死予防に関連し「援助希求力-SOSを発信する力」を促進する教育内容、支援の留意点を明確化した。プロジェクト終了後の生徒の変化として、メンタルヘルス知識や理解が深まり、自分自身や感情についてのコミュニケーションの増加、自分が危機をむかえた時、86%の生徒がSOSを発信できると回答するなど有効性が窺えた。 このように思春期中学生に必要な心身の健康教育プログラム(精神医学分野として「SOS発信プロジェクト」を開発、以降、食育・包括的性教育分野を開発予定)を、オリジナル考案するにあたり、和歌山地域の高校生、大学生、多職種専門家による協働・地域連携・地域包括的支援システムを活用することで、メンタルヘルス教育の啓発・教育内容を深めることに寄与した。 今後、教育・社会心理的な分析研究により、中学校内・外部連携ケアシステム、予防教育プログラム(3分野-精神医学・食育・包括的性教育)の構築、整備について研究を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で、当初計画していた自死予防教育プログラムの現地調査・見学などは不可能であった。しかしSOS発信プロジェクト(和歌山モデル)をオリジナル作成し、中学2年生にワークショップを実施し、中学生を対象とするメンタルヘルス向上の研究活動を行った。それらの取組について学会発表、紀要に成果をまとめ、NHK・TV放映、地方紙掲載などで評価を得た。
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今後の研究の推進方策 |
全国附属中学校・地域中学校における「自死予防に関する教育プログラム」実施調査を行い分析することで生徒の自死予防に役立つ指導や支援の留意点を明確にする。自死予防対応オリジナルプログラム(SOS発信プロジェクト-和歌山モデル)の発展・有効性の検討を行う。 多職種専門家による地域連携システム活用により、思春期中学生に必要な心身の健康教育プログラム(精神医学・食育・包括的性教育の領域を含む)の作成準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、出張・学会出席予算が、コロナ感染症の影響で学会の中止が相次ぎ、出張が困難だったため、研究助成金使用額が減少した。2021年度は、学会再開やオンライン開催の学会に参加、可能な範囲での現地調査実施などで予算を計画通りに使用する予定である。
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