人間にとって、重力環境下で立位姿勢を保持する能力は重要である。この能力は一見すると筋力やバランス能力など個体要因によって制御されていると考えられやすい。しかし、指先で何かに触れることによって立位姿勢が安定するという現象(LTC現象)が確認されて以降、個体と環境の相互作用によって、人は安定した立位姿勢を保つことが出来る可能性が示された。このことは、姿勢保持に困難さを抱える肢体不自由者にも適用できると考えられた。そこで、本研究では、成人(大学生)と脳性まひ者を対象にLTC現象の検討を行った。 コロナ禍により研究遂行に支障が生じたが、LTC現象を用いた障害者の立位制御に向けた有益な結果を得た。
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